ノマドワーカーと聞いてどんなイメージを思い浮かべますか?
「世界中を旅しながら仕事する」「自由でキラキラした働き方」「スタバでドヤ顔」など、ノマドワーカーにはいろんなイメージがついて回りますが、その実態はどんなものなのでしょうか?
本記事ではノマドワーカーの概要やフリーランスとの違いなどをご紹介します。
▼ 目次
1. ノマドワーカーとは
1-1. ノマドワーカーとフリーランスの違い
2. ノマドワーカーのメリット
2-1. 働く場所や時間を自由に選べる
2-2. 満員電車に乗る必要がない
3. ノマドワーカーのデメリット
3-1. 電源とWi-Fiの確保が必要
3-2. モチベーションや生活リズムの自己管理能力が必要
4. ノマドワーカーになるには
4-1. ノマドワーカーに向いている仕事
5. ノマドワーカーの注意点
6. まとめ
そもそも「ノマド(Nomad)」とは遊牧民のこと。
つまり「ノマドワーカー」とは、固定のオフィスを持たず、遊牧民のようにその時々に場所を変えながら仕事をする人たちを指す言葉。
インターネットの登場と発達、そしてスマートフォン等の通信デバイスの進化により、可能になった働き方として近年注目されている概念です。
ノマドワーカーとフリーランスは混同されがちですが、前者は仕事場に対するスタンスで、後者は雇用形態のためそもそも別物です。
特定の働く場所を持たず、カフェや自宅、あるいは旅先などで仕事をするスタイルのこと
実店舗がなく、雇人もいない自営業主や一人社長であって、自身の経験や知識、スキルを活用して収入を得る者
参照:経済産業省 フリーランスの定義について
ノマドワーカーとして働くことにはどのようなメリットがあるのか?
そこには大きく二つ「働く場所や時間を自由に選べる」と「満員電車に乗る必要がない」という点があります。
多くの企業では9時〜17時などの就業時間が定められており、この時間帯を中心に特定の職場へ通勤と勤務を行うことになります。
フレックス制や裁量労働制の場合も、その多くは実質的にコアタイムが設定されており、自由な時間帯で働くことは難しいのが実情です。
ノマドワーカーの場合、通勤義務が発生しないため、特定の仕事場を持ったり通ったりする必要がありませんし、働く時間帯も自由です。
スケジュール設定次第では、平日に混雑を避けて映画館や美術館を楽しみ、逆に街が人でごった返す休日や連休に自宅で仕事をするといったスタイルをとることもできます。
観光地や人気飲食店も基本的に混むのは週末や休日ですので、平日に自由時間を作れることは、ノマドワーカーとして得られる大きなメリットと言えるでしょう。
もしもあなたが朝晩の満員電車で通勤しているとしたら「満員電車に乗らなくていい」ということが、ノマドワーカーのメリットと考えられるかもしれません。
「満員電車に乗って感じるストレスは、機動隊員や戦闘機のパイロットが仕事中に感じるストレスを上回る」という研究結果もある通り、満員電車による通勤は大きなリスク。
自分で仕事場所や時間帯を選べるノマドワーカーならば、基本的にそんな満員電車に乗る必要はありません。
自由な働き方を実践できるノマドワーカーですが、その裏にはその自由を維持するための苦労がデメリットとして存在しています。
「いつでもどこでも仕事ができる」というのは、裏を返せば「仕事ができる環境を自分で用意しないといけない」ということでもあります。
多くのノマドワーカーにとって、ノートパソコンとスマートフォンは必須アイテム。
そのため、それらのデバイスが安定して使えない環境は仕事場として適していません。
せっかく雰囲気の良い落ち着いたカフェを見つけたとしても、電源を借りれない場所では落ち着いて仕事ができませんし、ネット環境がなければほとんどの仕事ができなくなってしまうことでしょう。
特に「旅をしながらノマドワーカーとして仕事をしたい」と思っている人にとって、これは避けて通れないポイントです。
以前、私が取材した旅行系ノマドワーカーの方は、Wi-Fi環境がしっかりした拠点となる宿を見つけ、仕事はほとんどそこで行っているという話されていました。
「旅先のカフェに入り、テラス席で優雅に仕事。あるいはビーチでのんびり仕事」なんて理想とはかけ離れた実態ですよね。
とはいえ、今はモバイルWi-Fiルーターやモバイルバッテリーを利用することで、多くの地域やエリアで仕事環境を整えることもできますので、そこまで気にすることもないと思います。
モバイルバッテリーをお探しの方は、「ノマドワーカーにおすすめのPC用モバイルバッテリー3選」も、ぜひ読んでみてください。
自分のペースで仕事をするということは、自分でペースを作らなければいけないということでもあります。
自己管理能力がないと、仕事に対するモチベーションが上がらず、アウトプットのクオリティーにバラつきが出てしまったり、納期に対してルーズになってしまったりして、自らの評判を落としてしまいかねません。
さらには、スケジュールを管理できなければ、繁忙期には納期に追い立てられる危険性も。
実際、ノマドワーカーとしてしばらく仕事をしたのち、会社員に戻るという方も少なくありません。
ノマドワーカーのキラキラした部分は、自分で自分を管理し、順調に仕事をこなせていなければ享受できないということは肝に命じておきましょう。
ノマドワーカーになるための近道は、ノマドワークに向いた仕事できる職業につくことです。
ブロガーはノマドワークの定番として挙げられることの多い職業です。
ブロガーにとってはブログ記事を更新することが主な仕事ですので、働く場所を選ばないということは想像に難くありません。
旅ブログを運営しているブロガーを筆頭に、ブロガーの中にはネタ探しのために必然的にノマドワーカーである場合もあります。
ただしブログ収入だけで生活ができる必要がありますので、すぐにノマドワーカーになりたい人には向きません。
ライターもノマドワーカーの代表的な職種と言えますが、すべてのライターがノマドワークに向いているわけではありません。
例えばインタビュー取材を主な案件としているライターの場合、取材現場にいかなければ仕事はできません。
また編集者との打ち合わせが頻繁にある場合も難しいでしょう。
ライターとしてノマドワーカーを目指す場合、クラウドソージング系のサービスに登録し、安定して仕事を受けられる体制を整えておくと良いでしょう。
全体的に人手不足で高収入の傾向が強いエンジニアは、数ある職種の中でも特にノマドワーカーに向いている仕事と言えます。
今後も需要が上がり続けることが予想され、発注側にとってもリモートでの仕事という認識も強いため、これからノマドワーカーを目指したい人はプログラムを勉強するといいかもしれません。
クライアント/発注者の視点から見た場合「ノマドワーカーには仕事を頼みたくない/頼めない」ケースがあります。
特に守秘義務契約が必要な場合、契約要項に施錠の必要や、作業場所への入退室管理が義務付けられていることが少なくありません。
ノマドワーカーとして仕事したい場合、こうした案件を受けることはできないでしょう。
また、契約を結ばない場合も、案件に関する情報漏洩を避けるためにノマドワーカーへの発注を渋るケースも想定されます。
例えば、もしもあなたが発注者だとしたら、不特定多数の人が出入りするカフェで仕事をしているような方に発表前の重要な情報を渡したいと思うでしょうか?
このように受発注の関係性がある案件で収入を得ている場合は、ノマドワークに向いている職種だとしても、働き方に注意する必要があります。
以上、ノマドワーカーの概要やフリーランスとの違いをご紹介しました。
ノマドワーカーには自由に働けるメリットがあると同時に、自己責任の比重が高いなどのデメリットが存在しています。
また職種によってノマドワークに向くものと向かないものがあるため、すべての人がノマドワーカーとして働けるわけではありません。
ぜひご自身の性格や職種と照らし合わせて確認してみてください。
坂上春希
ライター/メディアプロデューサー。ガジェット、ビジネス、インテリア、カルチャー、テクノロジー等の分野で活動中。