フリーランスが住みたい家の賃貸契約を突破するためのポイント

佐々木ののか

佐々木ののか

2021.03.19
フリーランスが住みたい家の賃貸契約を突破するためのポイント イメージ

フリーランスになることの心配のひとつとして、家を借りるのが難しいことが挙げられます。実際に、私もフリーランスになってからの6年間で7回引っ越しした中で、不動産会社から「審査が通らないかも」と言われたり、連帯保証人のほかに保証会社との契約や数種類もの収入証明を求められたりしました。フリーランスというだけで難色を示す大家さんも中にはいると聞きます。

貸主である大家さんの立場からすると、一定の収入や支払い能力を知りたいと思うのは当然のこと。漠然とした不安を抱えている方も多いかもしれませんが、一定の収入や支払い能力さえ証明できれば、フリーランスでも家を借りることはそう難しくないことがほとんどです。

フリーランス7年目になる私が、住みたい家を借りるためのポイントを自分や周囲のフリーランス仲間の経験、不動産会社さんによるヒアリングの情報を交えつつお知らせします。

今回、お話を聞かせてくださったのは、omusubi不動産さん。

フリーランスの方やアーティスト向けの物件も多く手掛けていらっしゃる経験から、フリーランスの方が物件を借りる際に抑えておくべきポイントなどを伺いました。


▼ 目次
1. フリーランスが家の賃貸をするときに重視される点
1-1. 支払い能力があるか
1-2. クレジットカードの滞納履歴はあまり関係がない
1-3. 大家さんに会わなければいけないケースも稀にある
2. フリーランスが賃貸しやすい物件や条件
2-1. 繁忙期を外す
2-2. 空いている期間が長い物件を狙う
2-3. フリーランスの方にやさしい不動産会社を利用する
3. フリーランスが家を借りるために必要なもの
4. フリーランスが住みたい家を借りるためのポイント


フリーランスが家の賃貸をするときに重視される点

フリーランスが家の賃貸をするときに重視される点

支払い能力があるか

フリーランスが家を借りるときに重視される点は、支払い能力があるかどうかです。私自身は確定申告の書類などの収入を証明する書類や、銀行の預金残高のコピーなどで支払い能力を証明してきました。

独立したての頃はフリーランスになってから収入を証明する書類がなく、また、十分な預金残高もなかったため、両親から一時的にお金を借り入れて残高が増えた通帳をコピーして提出したこともあります。

また、フリーランスという存在自体に不信感が強い大家さんの場合は、友人の会社に在籍していることにしてもらい、社会的信用を示したこともありました。

omusubi不動産の若林さんは、保証会社や大家さんの規定・考え方によることを前提としたうえで、定期的に収入がある方であれば概ね問題ないのではと話します。それ以上に重要なのは、家賃を支払っていけるかの客観的な判断材料だそうです。

たとえば、確定申告が済んでおらず、見込み収入を書くしかない独立したての方であっても、独立の経緯や収入の目途がついていることが説明できれば、十分な指標になり得るといいます。

同じ駆け出しのフリーランスであっても、計画性のなさや収入の目途が立っていないことが露呈すると、窓口となる不動産会社や大家さんを不安にさせてしまうでしょう。

私が不動産会社や大家さんからたくさんの書類を求められたのは、大家さんを納得させられるだけの説明ができなかったからかもしれません。物件を借りる以前の話ですが、フリーランスになるときは、収入の見込みを説明できるくらいの計画性を持つことが大切です。

 

クレジットカードの滞納履歴はあまり関係がない

クレジットカードの滞納履歴はあまり関係がない

クレジットカードの滞納履歴があると、家を借りる際に一気に不利になると聞いたことがあります。保証人が保証会社の場合、過去のクレジットカードの滞納履歴を調べられてしまうのではないかという懸念からです。

しかし、私もクレジットカードの支払いをうっかり忘れてしまったことがありますが、賃貸物件の契約時に滞納について咎められたことは一度もありません。私が話を聞いた身近なフリーランスの方でも、カードの滞納履歴が原因で家を借りられなかったという人はいませんでした。

omusubi不動産でも、申し込みの段階でクレジットカードの滞納についてヒアリングすることは基本的にはないとのこと。

物件を購入する際のローンや、事業用の物件を借りるときの融資、高額な物件を賃貸する際には関係してくるかもしれませんが、一般的な住居用の賃貸ではそれほど気にする必要はないかもしれません。

 

大家さんに会わなければいけないケースも稀にある

私が過去に内見申し込みをした際、大家さんに「一度会ってお話ししたい」と言われたことがあります。内見時にご挨拶して仕事について聞かれ、その後も問題なく入居させてもらいましたが、フリーランスの実体がよくわからず、不安に感じられたのかもしれません。

omusubi不動産さんによると、こうした事例は珍しいのではないかとのこと。フリーランスというだけで門前払いしたり、不信感を抱いたりする方はそう多くいらっしゃらないそうです。

あくまで大家さんによりますが、まずは客観的に納得できる収入証明を出すことが大切だといえるでしょう。
 

フリーランスが賃貸しやすい物件

フリーランスが賃貸しやすい物件や条件

繁忙期を外す

引越しシーズンに当たる12~3月は、賃貸物件の条件交渉がしにくい時期です。

私がフリーランスになって半年経った12月頃に物件を契約した際、「今は問い合わせが多い時期だから、初期費用を高く出せる人が決まります。いくら出せますか?」と言われ、預金残高の額面ギリギリまでを提示したところ、提示した金額がそのまま初期費用となったことがあります。

事前に見積もりを出すこともなく、私の提示した「言い値」が1円単位まで反映されていたことを考えると、担当業者が「少しでも利益を取ろう」とする思惑を感じずにはいられませんでしたが、それも物件が動きやすい時期だったからかもしれません。

omusubi不動産の若林さんによると、12~3月の繁忙期は同じ物件に複数の問い合わせが重なった場合、大家さんからすると「より条件の良い方」と契約したい気持ちはあるだろうとのことでした。

会社員に対してフリーランスが必ずしも不利なわけではありませんが、十分な収入証明ができなければ、比較されて落とされてしまう可能性は高くなります。

私が体験したケースは極端ですが、繁忙期を外して契約したほうが、部屋がスムーズに決まる可能性は高いといえるでしょう。

 

空いている期間が長い物件を狙う

omusubi不動産の若林さんによれば、契約がしやすいかどうかは時期以上に物件によるといいます。

空いている期間が長い物件の場合は、フリーレントをつけたり、初期費用を下げたりと、条件交渉に応じてくれる可能性も高いのです。

駅からの距離や築年数以外に借り手が付きにくい理由としては「日当たりが悪い」「線路のそばで騒々しい」といったことが考えられます。どのくらい空いているか、どうして借り手がつかないかを尋ねてみると、交渉の余地があるかもしれません。

 

フリーランスの方にやさしい不動産会社を利用する

物件の審査は保証会社や大家さんの判断に委ねられることがほとんどです。一方で、橋渡し役を担う不動産会社の方がどれだけ親身になってくれるかも大きなポイントとなります。

たとえば、omusubi不動産の活動の主軸には、アーティストやフリーランスの方が活動しやすい環境づくりがあるため、同社と取引している大家さんもそうした活動に協力したいと思っている方が多いようです。

また、omusubi不動産が貸主である物件の場合は、初回保証料が抑えられるフリーランスの方にやさしいプランも提供しています。

たまたま訪れた不動産会社や担当者との相性があまり良くないと感じたら変えてみる、という臨機応変な対応も大切です。

 

フリーランスが家を賃貸するために必要なもの

フリーランスが家を賃貸するために必要なもの

フリーランスが家を借りるために、以下のようなものが必要とされています。

私も過去の引っ越しでは以下の書類提出を求められることがほとんどでした。会社勤めの場合は連帯保証人の記載だけで済むところを、フリーランスは保証会社も二重に付けなければいけなかったり、用意する書類が多かったりするなど、手間が多くかかります。

しかし、書類をきちんと揃えて大家さんに納得してもらうことで審査に通るとも言い換えられるので、辛抱強く頑張りましょう。

・住民税課税証明書
所得証明書、収入証明書とも呼ばれる各自治体で発行されます。
 
・所得税納税証明書
税務署にオンラインまたは郵送で請求できます。
 
・銀行通帳の写しまたは残高証明
銀行で発行する貯蓄額を明示するための書類。
 
・身分証明書
 
・連帯保証人

家賃の3倍以上の安定した収入がある2親等以内の親族(父母、子、祖父母、孫、兄弟姉妹)
入居者が家賃を支払えなくなったとき、代わりに支払う人のこと。連帯保証人の手続きには、実印、印鑑証明、収入証明、住民票になるため、役所での書類発行が必須となります。
 
※連帯保証人が用意できないときは、保証会社を使いますが、フリーランスは両方が課せられる場合も多いです。

 

フリーランスが住みたい家を借りるためのポイント

収入証明書が出せない場合は一時的にお金を借り入れて残高を増やした通帳コピーを提出する

フリーランスに不信感を抱く大家さんの場合は友人の会社に在籍していることにしてもらう

繁忙期(12~3月)でない時期や長く空いている物件だと、条件交渉に応じてもらえる可能性もある

フリーランスへの抵抗感がある大家さんの場合は、内見時にご挨拶して安心してもらうのも方法のひとつ

※上記まとめは、ライターの個人的経験・見解によるものです。

フリーランスは家を借りる際に不利とも言われていますが、大家さんや保証会社を納得させられるだけの十分な収入証明があれば、基本的には問題なく家を借りることができます。

ただし、不動産会社や大家さん、保証会社との相性や、物件の人気度、申し込みをする時期によっては家を借りにくくなる可能性もなきにしもあらずです。相性が悪いと感じたら、担当者や物件を変えてみる柔軟さも、フリーランスの家探しには大切なことといえるでしょう。
 

取材協力:omusubi不動産
 
千葉県・松戸市と東京都・世田谷区中心に活動する不動産会社。一般的な不動産の賃貸・管理・売買はもちろん、空き家や古民家・レトロな団地をDIY可能物件やシェアOKにするなどして、持続可能な物件の活用を提案している。シェアアトリエ・スペース運営をしていることから、アーティストやフリーランスの入居者も多い。田んぼづくりや地域の商店街でのイベント、国際アートフェス「科学と芸術の丘」など、街に“はみだした”活動を通じて、入居者の暮らしづくりに取り組んでいる。
 
omusubi不動産 HP

佐々木ののか
この記事を書いた人

佐々木ののか

新卒入社のメーカーを1年で退社し、2015年からライター・文筆業をスタート。普段は「家族と性愛」を中心に執筆している。
 
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