【独立したい人向け】6年目ライターが教えるフリーランスのリスク

佐々木ののか

佐々木ののか

2020.06.21
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フリーランスと聞くと真っ先に思い浮かぶのは「収入が不安定」であることや「リスク」という言葉。かく言う私も、会社を辞めて独立するときにフリーランスの知人に「生活の不安はないんですか?」などと、今思えば失礼な質問を投げかけたものです。

確かに、フリーランスをやっていくうえでのリスクは存在します。たとえば、社会保障がないこと、社会的信用がないことといった実益に絡むこともあれば、相談できる人がそばにいないといった心理的不安要素まで多岐に渡ります。

ただし、リスクとはあくまで確率の話。リスクと対策を事前に知れば、トラブルを未然に防ぐこともできます。

今回は、フリーランスのライター6年目になる著者が、自分の体験やフリーランス仲間から見聞きした情報をもとにフリーランスのリスクと対策についてお伝えしていきます!


▼ 目次
1. お金に関する不安
1-1. 収入が不安定
1-2. 住民税や結婚式のお誘いなど急な出費に注意
1-3. 老後が不安
1-4. ローンが組めない
2. 相談できる人がいなくて寂しい
3. セクハラが多い
4. 取引先とのトラブルも自分で解消しなければいけない
5. 事務手続きをすべて自分で行わなければいけない
6. 社会保障や有給休暇がない
7. まとめ


お金に関する不安

お金に関する不安

収入が不安定

お金に関するリスクで真っ先に思い浮かぶのは、毎月の収入が不安定なことではないでしょうか。

私自身も独立したてで人脈も実績もない時期は収入が特に安定せず、独立してから数ヵ月は月収が3~5万円を行ったり来たりしていました。幸いにしてその頃は60万円ほど貯金があり、家も友人宅を間借りさせてもらっていたため、収入が不安定なことは精神的に堪えませんでした。

もしも会社を辞めてフリーランスになることを検討中の方は、最低でも3ヵ月分の生活費を貯めてから独立することをおすすめします。

また、軌道に乗ってからも収入が不安定になることはもちろんあります。

お仕事が少ないときは営業をかけるなどしてカバーもできますが、支払い月が想定よりもズレたり、もらえるはずだった案件が急遽なくなってしまったりすることも日常茶飯事。振り込み日や、請求書発行のタイミングが納品日ベースか公開日ベースかなど、請求ルールもクライアントによって異なります。

駆け出しのときは特に収支の管理がうまくできず、稼働しているのにお金が一向に入ってこず、苦しい時期がありました。結局親にお金を借りたり、親しくしているクライアントに無理を言って入金時期を早めてもらったり、先にお金だけもらって後から発注してもらったりしましたが、こうしたケースは極めて例外的です。

フリーランスの収入のリスクを下げるためにはまず、1カ月で稼ぐ目標金額を設定しておきましょう。たとえば、Twitterのフォロワー数が10万人近くいるインフルエンサーの知人は、目標金額を1ヵ月60万円に設定していると話していました。

各種税金が引かれるフリーランスは、最低でも会社員時代の月収の1.5倍を目安にすると良いでしょう。

私の場合は上記に加えて「報酬管理シート」を作成・活用しています。クライアント名と案件の金額、請求月と支払い月を入力すると、各月の振込金額が自動計算される仕組みです。このシートを使うようになってから月末に「収入が足りない」と慌てることもなくなりました。
 

住民税や結婚式のお誘いなど急な出費に注意

住民税や結婚式のお誘いなど急な出費に注意

独立したてのフリーランスにありがちなのが、住民税の請求に伴う資金難です。

確定申告後、毎年6月頃に住民税の請求が来ます。その金額は課税所得の10%程度と言われ、年収400万円の人であれば40万円になります。分割払いにするとしてもかなりの出費になりますよね。

資金繰りに困らないよう、確定申告が終わった後から住民税の金額シミュレーションをしておくのがおすすめです。

また、フリーランスに限ったことではありませんが、20代後半は友人の結婚式に参加するのも地味に家計の痛手となりました。私もお金がない時期は二次会だけ参加させてもらったり、ご祝儀だけ送らせてもらったりしました。

もちろん普段から貯金をしておくに越したことはありませんが、万が一のときは正直に打ち明ける勇気も必要です。
 

老後が不安

月収が安定してくると、不安になるのが老後ですよね。フリーランスになりたてのときは老後のことなんて考える余裕もありませんでしたが、30歳になってからはキャリアを含め、今後の見通しに不安を覚えるようになりました。

特に40代になると発注者が年下になるケースが増えてきて、発注側の依頼しにくさから仕事が減ると聞いたことがあります。体力的にも厳しくなってくるため、小さな会社をつくって若い人を雇って生計を立てるキャリアチェンジを行う人も多くいます。

30歳からフリーランスになった60代の方は、40歳になったときに経済的な不安を感じ、ファイナンシャルプランナーに相談したと話していました。老後に必要なお金を試算するだけで見通しがつき、気持ちがかなり軽くなったそうです。

ファイナンシャルプランナーに依頼するほどの経済的余裕がない方は、「資産(ローンなどの負債を引いた純資産)+予想収入(年金など)-想定される生活費(×必要月数)」の計算式に則り、老後に必要な金額を算出してみると良いでしょう。
 

ローンが組めない

ローンが組みにくいこともフリーランスの問題点として挙げられますが、私の場合はフリーランス6年目にしてローンを組む機会は一度もありませんでした。周りの友人もリスクが上がるのを嫌がり、一括で買い物する人がほとんどです。

家を買う場合などはローンを組まなければいけませんが、条件を満たせばフリーランスでも住宅ローンを組むことができるようです。

チェックされるポイントは「事業年数(3年以上)」「自己資金が十分にあるか」「連帯保証人がいるか」「健康状態(団体信用生命保険に加入するため)」などです。また、直近3年分の平均年収が基準を満たしているか、年ごとに収入の大きなばらつきがないかどうかも見られます。

上記を満たせば、フリーランスでもローンを組める可能性もあります。実際にフリーランスの友人も中古の家を2軒買っていました。

ただし、一定期間の実績を示す必要はあるので、独立前にクレジットカードを作っておき、独立後3年間はローンが必要になるような大きな買い物を諦めましょう。

ちなみに、社会的信用の低さから家を借りにくいのではという心配をされる方もいますが、結論から言うと、私がフリーランスになってからの2年間で行った5回の引っ越しで、審査が降りなかったことは一度もありません。

住む家の家賃が高くなかったこともありますが、連帯保証人を見つけ、家賃半年分ほどの十分な預金残高を見せられれば、ほとんどの審査が通るのではないかと思います。詳しくは、「フリーランスの賃貸」について書かれた記事を読んでみてください。
 

相談できる人がいなくて寂しい

相談できる人がいなくて寂しい

会社に勤めていれば否応なしに人と会う機会がありますが、フリーランスの場合はそれがありません。ルーティーンや拘束が嫌でフリーランスになる方が多い印象ですが、人と全く関われないとなると寂しいものです。

そうした寂しさを打破するためにコワーキングスペースを定期利用したり、取引のある会社に間借りさせてもらったりして気を紛らわせましたが、深いつながりができるわけではないため、相談ができる相手がいないことに長く悩んでいました。

私が最終的にたどり着いた解決策は、定期的に一緒に作業するフリーランス仲間をつくることです。同業種のフリーランスの知り合いができたら「作業会」と題して集まるルーティーンをつくり、その中でも特に気の合いそうな人と一緒に顔を合わせて作業するようになるうち、悩み事を打ち明けられる関係になりました。

時間はかかるかもしれませんが、フリーランスでも相談できる間柄の人に出会えるので、リスクというほど心配することはないと個人的には思います。
 

セクハラが多い

セクハラが多い

フリーランスの若い女性のリスクになるのが、セクハラです。駆け出しの仕事がない時期は、呼ばれた飲み会に積極的に参加するようにしていましたが、いざ行ってみたらムーディーなバーにふたりきりということも。

「仕事の打ち合わせをする」と言っていたはずなのに口説かれたり、キャバクラの接待のような雰囲気になったり、ひどいときは身体を触られたこともありました。もちろん会社員でもセクハラに遭う可能性はありますが、後ろ盾がなく立場が弱いフリーランスの女性はどうしてもターゲットにされやすいのです。

若いときは発注がなくなったら困ると耐えていましたが、仕事相手にセクハラするような態度の人間と仕事をしてもいい結果になりません。嫌な雰囲気を感じたら途中でも立ち去る、ボイスレコーダーを携帯するなどの予防策を取りましょう。また、小手先のテクニックですが、左手の薬指に指輪をしているだけでも効果がありました。
 

取引先とのトラブルも自分で解消しなければいけない

取引先とのトラブルも自分で解消しなければいけない

生じたトラブルは自分で解決しなければいけないことも、フリーランスのリスクです。たとえば、取引先が会社であれば、ほとんどの場合で契約書を結びますが、個人相手の取引だと口頭での約束になりトラブルに発展するケースもあります。

私の場合は取材対象者との約束事を事前に決めていたにも関わらず、「そんなことは言っていない」「気が変わった」などと言われて記事の掲載ができなくなったり、取り下げなければいけなくなったりしたこともありました。

コミュニケーションをよく取ることはもちろんですが、個人間であっても書面上で契約を交わすことがトラブル回避に繋がります。法律に詳しい友人などの力を借りて、簡易的な契約書を作っておきましょう。
 

事務手続きをすべて自分で行わなければいけない

事務手続きをすべて自分で行わなければいけない

フリーランスになって最も大変だったことのひとつは、請求書の発行や契約書への記入などの事務手続きもすべて自分で行わなければいけない点です。特に、フリーランスの友達もできていなかった1年目の確定申告は右も左もわからず、地獄を見る思いでした。

今では「Freee(フリー)」や「Money Forward(マネーフォワード)」のような、リーズナブルで使いやすいサービスもありますし、「フリーランス1年目の教科書」といった本を1冊読めば、大まかなハードルはクリアできます。

それでも「スケジュール管理や経理計算が苦手」「事務手続きの時間を仕事に回したい」といった方の中には、マネージャーを雇ったり、税理士に確定申告の代行を依頼したりしている方もけっこういます。

マネージャーの金額はまちまちですが、税理士に確定申告を依頼する場合の相場は5~7万円で、領収書等の必要書類を送ればすべて代行してくれます。

自力できちんとした知識を身に着けたい方は年間2万円で税理士に相談し放題の青色申告会に加入していました。

わからないことを都度調べて対応する根気か、プロに依頼する経済的余裕のいずれかがあれば、フリーランスの事務手続きも怖くありません。
 

社会保障や有給休暇がない

社会保障や有給休暇がない

社会保障や有給休暇がないこともフリーランスのデメリットのひとつです。平常時は問題なくても、病気になったときや妊娠・育児休暇を取りたいときに保障がないことを不安に思う方もいらっしゃるでしょう。

私自身はインフルエンザや発熱のときも解熱剤を飲んで仕事していましたが、骨折や入院を伴う病気などに発展したら…と考えると、確かに不安を覚えます。

そのため、私は25歳の頃から生命保険のほかに入院1日につきベッド代にあたる1万円が支給される医療保険に加入しています。働けなくなったときの収入を保障してくれる保険もあるようですが、生命保険、医療保険以外の保険料を払える人は多くないのが実情でしょう。

一方で、フリーランスだからこそのメリットもあります。たとえば、フリーランスは妊娠・育児休暇は取れないものの、復帰後に前線から退かなければいけないこともないですし、時間をやりくりしながら収入を保つこともできます。

会社員の方は会社に守られて安定こそしていますが、職場復帰した後のキャリア形成が難しいという話を聞きました。そうした背景が理由で、妊娠・出産中に会社から社会保障を受け、休み明けにフリーランスに転向した人も数人知っています。

直近に、社会保障や有給休暇を使いたいタイミングがあるならば、それを待ってからフリーランスになってもいいかもしれません。
 

まとめ

フリーランスになるリスクは確かにありますが、対策を講じていればそれほど怯える必要はありません。リスクと対策を事前に知って、安心して仕事に取り組める環境をつくりましょう。

お金のリスク対策

 ・フリーランスになる前に3ヵ月分の生活費は貯めておこう
 ・1ヵ月で稼ぐ目標金額を決めよう
 ・報酬管理シートを作ろう
 ・毎年6月に請求される住民税に注意しよう
 ・老後の不安はファイナンシャルプランナーへの依頼か老後の経費試算で解決しよう
 ・「事業年数」「安定した収入」「自己資金」が揃えばローンも組める可能性がある

その他

 ・定期的に会う作業仲間をつくって相談できる間柄になろう
 ・若い女性はセクハラに注意、ボイスレコーダーを携帯しよう
 ・個人間でも契約書をつくろう
 ・事務手続きが苦手なら税理士やマネージャーへの依頼を検討しよう
 ・社会保険制度がない分は民間の保険で補填しよう
 ・社会保険や有給休暇を利用する可能性があるときは独立時期を見極めよう

佐々木ののか
この記事を書いた人

佐々木ののか

新卒入社のメーカーを1年で退社し、2015年からライター・文筆業をスタート。普段は「家族と性愛」を中心に執筆している。
 
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