【 管理栄養士監修 】在宅ワーク中のダイエットのコツとは?

廣島由佳

廣島由佳

2020.05.19
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世の中、ダイエットに関する情報で溢れていますが、そう簡単には実現できないのがダイエットです。しかも在宅勤務となると、冷蔵庫も近い、お菓子もすぐそこ、珈琲なども飲み放題、という環境…。

ヘルシーで丁寧な暮らしが理想だけれど、理想の生活とはかけ離れていってしまいがちです。

今回はそんな環境の在宅ワークで『働きながらでもできる 無理のない ダイエットのコツ』を3つお話させていただきます。

結論から言いますと、簡単な知識を覚え、コツをおさえれば、炭水化物も甘いものも食べて大丈夫です。


▼ 目次
1. 「管理栄養士」として、まずはじめに
2. ダイエットのコツ1:色々な種類を食べる
2-1. 炭水化物
2-2. タンパク質
2-3. ビタミン
3. ダイエットのコツ2:飲料・間食の『糖』に気をつける
4. ダイエットのコツ3:体重は定期的に測る
5. まとめ


「管理栄養士」として、まずはじめに

まずはじめに、管理栄養士として皆様にお伝えしておきたいことがございます。

ヘルシーな食生活と言っても、人によってそれぞれ異なると言うこと、また減量とは単なる「カロリー計算」ではなく、睡眠時間やストレス、運動レベルによって結果が異なってくるのはもちろん、健康状態やホルモンなど自分ではコントロールできない要因も影響します。

目先の数字だけに惑わされず、自分の体と向き合い、そして自分を大切にすることが最も重要だということをご理解いただき、本記事を読んでいただきたく思います。
※十分な睡眠が取れていること・運動(週2以上の定期的なエクササイズ)を行っていないことを前提とさせていただきます

ダイエットのコツ1:色々な種類を食べる

好きなものは食べてもOK。過食、絶食がダイエットには向きません。

仕事が忙しくなると、どうしても簡単に済ませてしまいがちになり、おにぎり、パン、カップ麺などに偏りがちになり、それが肥満の原因になる場合もあります。

大好きな食べ物を完全に排除する必要はありません。

「食べるなら食べる、もしくはまったく食べない」という極端な2択で自分を追い込む人が多いですが、この考え方は長い目で見ても、栄養バランス的にも推奨しません。大好きな食べ物を排除しない代わりに、それらをヘルシーな方法で日々の食生活に取り入れる方法を学んでいきましょう。

炭水化物

主食は、白米や麺類でもかまいませんが、大麦や玄米なら糖の吸収を緩やかにする食物繊維が豊富なため、さらにいいでしょう。

日本人は昔から、ご飯を主食にしてきましたが、50年前と比べると、お米の摂取量は減っているのに、糖尿病は増え、肥満も減少していません。つまりご飯だけが肥満の原因ではないこと言うことの証明になるのではないでしょうか。
資料:農林水産省 米の摂取量の減少について

以前流行した、糖質制限食ではご飯や穀類だけが制限の対象にされていましたが、ゆっくりと消化されるご飯は、急激に血糖値を上げることはありません。しっかり食べると腹持ちがよいので、間食を控えられます。

食べる順番は、そこまで気にしなくてかまいませんが、おかずといっしょに食べることで、ご飯とおかずが混ざり合いながら消化され、血糖値の上昇が抑えられるのです。

おかずを増やしてご飯を減らすと、明らかに塩分や脂肪分がオーバーします。その食事が続くと体重増加、高血圧や高脂血症が心配です。

ですから、食べるのを我慢するのではなく、必要な量、出来たら大麦や玄米なども取り入れ、しっかり食べることが大切です。

パスタもパンも同様です。日本人に最も馴染みのある白い食パンより、茶褐色のライ麦粉、全粒粉を使ったパンの方が食物繊維、ビタミン・ミネラルが豊富に含まれ栄養価は高くなります。

料理に関しては、クリームを使った高脂肪のソースのパスタの代わりに、色んな野菜、グリルした海老をオリーブオイルとガーリックのソースのモノを選び、パンであれば100%全粒粉のパンにグリルしたチキン、アボカド、レタス、トマトを乗せたヘルシーなサンドイッチを選びましょう。
引用:栄養士 ケリー・ガンズ氏 『The Small Change Diet』著者

コンビニやスーパーで購入できるおすすめ品

もち麦・大麦入りおむすび
(Family Mart スパー大麦入りおむすびシリーズなど)

ライ麦パンのサンドイッチ
オススメの具は一種類だけではなくBLT・ミックスサンドなど多様な具材が◎

全粒粉のパスタ
なければ、ペペロンチーノのようにシンプルなものより、具がたくさん入ったものを選ぶと◎

 

たんぱく質

ヘルシーなささみだけでなく、牛や豚も食べて大丈夫です

ダイエットには「ささみ」のイメージが強いですが、「牛」や「豚」も是非取り入れてください。

ささみは確かにカロリーが少ないですが、同時代謝に必要な脂質・代謝を促すビタミンB1も残念ながら少ないのです。多少脂のある豚肉や牛肉ですが、その分しっかりと栄養価もあるのです。

牛肉は単に高カロリーな食べ物ではなく、人間に必要な必須アミノ酸やビタミン・ミネラルが豊富ですし、豚肉には脂肪燃焼効果のL-カルニチン、糖質代謝に関わるビタミンB1、ストレスを緩和するアラキドン酸、美しく脂肪を燃やすコエンザイムQ10などが多く含まれています。

鶏が好きな方であれば、ささみだけではなくいろんな部位を食べることがおすすめです。
植物性たんぱく質は、枝豆や納豆、豆腐などであり、食物繊維などを補給してくれます。

コンビニやスーパーで購入できるおすすめ品

サラダチキン
1日1〜2袋まで!!低脂質、高たんぱく質で知られていますが、3食食べると、ものによってはタンパク質を摂取オーバー(加工しているものが多いので、塩分もオーバーする可能性が…)

ローストビーフ、豚しゃぶ、焼き魚、サバ・ツナ缶、鳥炭火焼

ゆで卵、温泉卵、ナチュラルチーズ(カマンベールチーズ・チェダーチーズなど)

 

ビタミン

果物は、加工なし、自然の形で食べればOK

ある特定のフルーツや野菜は糖分が高いので食べない、という人がいますが、これらの食材は糖分が高くても、血糖値を中和させる食物繊維を多く含んでいます。

ただ、加工されたドリンクは、食物繊維が切断されて細くなっているため、なるべく自然の形で果物を摂る方がオススメです。

コンビニやスーパーで購入できるおすすめ品

カットフルーツ
ドライフルーツ
冷凍フルーツ

 

ダイエットのコツ2:飲料・間食の『糖』に気をつける

飲料は無糖で、甘いものは茶色い糖で摂取しよう

ダイエットにNGの白い砂糖、OKの茶色い砂糖の違いって?

簡単にお伝えすると、精製された白い「上白糖」や「グラニュー糖」は飲料やお菓子作りなどには適していますが、ダイエットにオススメなのは精製されていない『糖質の他に様々な栄養素を含んでいる糖』です。

茶色い砂糖とは、「黒糖」「きび砂糖」「てんさい糖」などのことを指し、微量のカルシウムや鉄などの無機質(ミネラル)、ビタミン類を含んでいます。同様に「メープルシロップ」や「はちみつ」もミネラルを含むのでおすすめです。

*ちなみに、茶色いので間違いやすいのが「三温糖」。これは上白糖を加熱してカラメル色素で着色したものなので上白糖とあまり変わらないのです。

精製された(白い)砂糖は、ケーキやお菓子などによく使われており、血糖値を上げるのも早く、下がるのも早いのが特長です。そのため、体がもっと欲しくなるという中毒性が生まれやすくなり、脂肪としても貯めこみやすくなります。

一方、精製されていない(茶色の)砂糖にはミネラルやビタミンなどが含まれるので、体の中で消化吸収されるスピードも、血糖値の上昇も緩やかです。血糖値を急激に上げないことが、脂肪の蓄積や食べ過ぎを防止してくれるのです。メープルシロップやハチミツもミネラルなどを含むので、血糖値の上がり方は緩やかです。

ただし、精製された白い糖も用途によっては有効

たとえば商品化されたものをよく見かける 「ブドウ糖」。消化吸収されやすく血糖値が上がるのも早いので、登山やマラソンなどの運動時や風邪の時、勉強中など、すぐにエネルギーが欲しいときにはおすすめです。

また、カロリーゼロに使われている人工甘味料「アスパルテーム」や「キシリトール」、「サッカリンナトリウム」は、病院でのダイエットや糖尿病の食事療法を行う際にも使われるケースもあります。
(「カロリーゼロ」とは、100gあたり5Kcal未満のものに使える表示です。)

「カロリーゼロ」とはいっても、微量にカロリーは含まれますのでご注意を。
注意すべきはその甘味の強さ。砂糖の200〜500倍もの甘味をもつため、その強い甘味に慣れてしまうと、砂糖を使う時に適正な量に戻れなくなる危険性があります。

また一日の摂取許容量も、定められていて、アスパルテームだと0〜40mg/kg×体重なので、体重50kgなら多くても2g程度まで。過剰摂取の健康弊害などがまだはっきりわかっていないため、頼りすぎないことが大切です。

深夜にどうしても甘いものが欲しい時などにサポートしてもらうのは◎ですが、とりすぎないようにしてください。

ちょっと一息入れる時には自家製の飲み物を

手軽なワンドリップのコーヒー、紅茶やハーブティーなどを淹れて、やさしい甘味をプラスするのがおすすめ。

「黒糖」や「きび砂糖」、「はちみつ」や「メープルシロップ」などからお好みの味わいを見つけると楽しいです!
もちろんカフェでも、カスタマイズできるお店なら無糖でオーダーして、甘味料を自分でチョイスするのが上級テクです。(乳製品も、低脂肪乳や無脂肪乳、豆乳に切り替えられるとなおよし!)

番外編ですが、ビフィズス菌を増やし整腸作用のある「オリゴ糖」もダイエットには効果的なので、ヨーグルトを食べる時にはおすすめです。
※なお、お子様の離乳食では乳児ボツリヌス症との関係で、はちみつと黒砂糖は満1歳までは使用しないでください。

摂取OKな糖質

黒糖
きび砂糖
てんさい糖
はちみつ
メープルシロップ
など

無糖ドリンク・無糖ヨーグルト・トーストに使ったり、普段に使う白い砂糖を黒糖・てんさい糖・きび砂糖に変えると良いでしょう。

摂取NGな糖質

精製された(白い)糖がたっぷりのお菓子
甘味の強い飲料
ガムシロップ
など

 

ダイエットのコツ3:体重は定期的に測る

学生時代、運動部で筋肉があった方が急にデスクワークになり、体重が増加してしまったケースはたくさん聞きます。

動いているときと同じ量食べて太る → 過剰栄養の状態で肥満になりやすいです。

逆に、運動しない → 食欲を失う → 食べることができない → やせる → エネルギー不足=低栄養の状態になってしまうから、これも健康としてはよくありません。

ですから適正体重を維持することを是非、日常に取り入れてみてください。

適正体重をチェック

適正体重の計算は 身長(m) × 身長(m) × 22

動いた量と食べた量の収支、帳尻を合わせられるよう、身体と向き合い調節する。これはアスリートだけではなく一般の方にも言えることです。

体重を増やさない、減らさないことが、栄養状態が維持されているかどうかの判断基準にもなります。ですから、朝イチ排尿後の体重を毎日測ることは、健康管理の基本になります。

まとめ

栄養管理は一人一人の生活習慣によって異なってきます。この食べ物だけ食べていれば良いということや、極端な断食がいいのではなく、多くの種類のモノを摂取するようなイメージで食事を楽しむことが一番かと思います。

※ある人には効果的なダイエットが他の人にはそうではないことや、減量をする目的と、減量が今の自分にとって本当に健康的なのかどうかを見極めたり、過去に摂食障害になったことがある人は、新たな食生活プランを立てる前に医師に相談をお勧め致しますし、そのような症状を経験したことがない人でも、無理は絶対しないでください。

日常の献立のアドバイスや、食事によるダイエットのサポートなどは、現役管理栄養士である筆者にも、ぜひお気軽にご相談ください。

廣島由佳
この記事を書いた人

廣島由佳

上場企業に管理栄養士として勤務した後、外側からのケアの大切さも大切だと考え、リラクゼーション、ボディケア、整体の道へ。管理栄養士として今も栄養指導を行いながら、一方で渋谷にて整体院を経営している。
 

女性ならではの、細かさや優しさを活かしながら、お客様へ正しい知識をお伝えし、一人一人が心身共に今よりも健康になれるようサポートを行なっている。
 

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