テレワークは業務効率が下がる?その理由と対策、おすすめツールをご紹介

東堂

東堂

2021.06.17
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「テレワークによって生産性が高まった」という喜びの声が聞かれる一方で、「テレワークになってからどうも業務効率が芳しくない」と悩む人も多いもの。

ある調査では、テレワーク従事者の実に6割超が「効率が下がった」と感じているとの結果も出ています(詳細後述)。

なぜ、テレワークだと効率が下がってしまうのでしょうか。

この記事では、以下について解説しています。

・テレワークの効率の実態
・テレワークの効率を下げている原因とその対策
・テレワークの効率改善が期待できるおすすめツール

ぜひ最後までご覧ください。


▼ 目次
1. テレワーク従事者の6割超が「効率が下がった」
2. テレワークで業務効率が悪くなる4つの理由と対策
2-1. コミュニケーションの取りづらさ
2-2. 集中力やモチベーションの低下
2-3. 就労環境が整っていない
2-4. ワークライフバランスの乱れ
3. テレワークを快適に!おすすめの業務効率アップツール6選
3-1. コミュニケーション不足を解消する
3-2. 書類やデータの共有を容易にする
3-3. ちょっとした情報を気軽に共有できる
4. まとめ


 

テレワーク従事者の6割超が「効率が下がった」

公益財団法人日本生産性本部の調査によると、テレワーク従事者に対して行った「自宅での勤務で効率が上がったか」という質問に対し、「やや下がった(41.4%)」「効率は下がった(24.8%)」と回答した人の合計が66.2%にのぼることが判明(2020年5月調査)。

実に6割以上の人が、テレワークによって「効率が(やや)下がった」と感じていることが明らかになりました。

テレワークによって「効率が(やや)下がった」と感じている人の割合は、続く7月調査では合計50.0%にまで減少。少しずつテレワーク環境が整備されてきていることが伺えます。

しかしながら、10月調査では49.5%とほとんど数字が動いておらず、いまだ半数近い人がテレワークにおける効率に課題を感じている状況が続いています。
 
 

テレワークで業務効率が悪くなる4つの理由と対策

なぜ、テレワークによって業務効率が悪くなってしまうのでしょうか。
その理由として、以下の4つが考えられます。

コミュニケーションの取りづらさ

集中力やモチベーションの低下

就労環境が整っていない

ワークライフバランスの乱れ

それぞれの詳細と、対策を見ていきましょう。
 

コミュニケーションの取りづらさ

サイボウズ チームワーク総研が行った調査によると、テレワーク中においてコミュニケーションが「しにくい」と答えた人は、業務に関わる/関わらない共に50%を超過。

半数以上の人が、テレワーク中のコミュニケーションの取り方に課題を感じていることが分かりました。こうしたコミュニケーションの取りづらさは、さまざまな悪影響に繋がります。

先程の調査によると、「業務で関わりのある職場の人」との関係性が、

・距離を感じるようになった:はい(38.0%)
・意見・提案(アドバイス)をしにくくなった:はい(40.7%)
・協力し合うことが減った:はい(42.4%)

のように変化。

コミュニケーションが取りづらくなったことによって職場の人間同士の関係性が希薄になり、テレワークの効率悪化要因のひとつになっていることが伺えます。

こうした問題への対策には、「コミュニケーションを取りやすい環境の構築」が一番です。

気軽にコミュニケーションを取れるチャットツールを導入する
 
ビデオ会議前後に雑談の機会を設ける
 
ビデオ会議ツールを使って、出入り自由の「作業ルーム」を作る

こうした工夫を取り入れて、テレワーク中のコミュニケーション不足を解消しましょう。

テレワーク中のコミュニケーションについては『体験してわかったテレワークで上手にコミュニケーションを取る工夫』でも詳しく解説しています。

 
 

集中力やモチベーションの低下

上司や同僚の「監視の目」がないテレワーク環境においては、どうしても集中力やモチベーションが低下しがち。

自宅という空間で働かねばならないため、仕事とプライベートの区別がつけづらく、生活にメリハリが出にくいことも要因のひとつでしょう。

集中力やモチベーション低下を防ぐ対策として、筆者自身が絶大な効果を感じたものは「ポモドーロテクニックの導入」です。

ポモドーロテクニックとは、25分の作業時間と5分の休憩時間を1ポモドーロとし、4ポモドーロごと(合計2時間)に20分の休憩を挟むという時間管理術のこと。

短時間の集中と息抜きを繰り返すので、質のいい集中状態を長時間保つことができますよ。

筆者は、5分の休憩時間になるとコーヒーを淹れに立ったり、気になる箇所をサッと掃除したりしています。休憩時間には必ず一度立ち上がることを意識すると、気分が切り替わり、次の25分間をより集中して過ごすことができますよ。

その他の対策は『テレワークのモチベーション低下を防ぐ3つの意識すべきポイント』でご紹介していますので、こちらも併せてご覧ください。

 
 

就労環境が整っていない

テレワークの主な舞台となるのは「自宅」。働くために最適な環境が整えられたオフィスとは違い、さまざまな部分で不便を感じることも多いはずです。

具体的には、

・椅子や机、ネットワークなどの周辺環境が整っていない
・自宅内に家族がいるため、仕事に集中できない
・必要書類やデータの閲覧が困難

などの部分で不満を感じているテレワーク従事者の方が多いようです。

とりわけ問題なのが「椅子や机、ネットワークなどの周辺環境が整っていない」という点。

前述した公益財団法人日本生産性本部の調査では「テレワークの課題」についても調査を行っていますが、

・部屋、机、椅子、照明など物理的環境の整備/5月:43.9% → 10月:41.8%
・Wi-Fiなど、通信環境の整備/5月:45.1% → 10月:44.7%

の2点を課題に感じている人は、5月調査時と10月調査時でほとんど割合が変わっておらず、課題が解決されないまま放置されているためです。

就労環境が整っていないと、当然、テレワークの効率は悪化してしまいます。仕事に適したデスクが自宅にない方は、ぜひ『建築家おすすめの在宅テレワーク用デスクを紹介!』をご活用ください。

 

ネットワーク環境に不満を感じている方は、契約しているWi-Fiプランの見直しを検討するのもいいでしょう。

基本的に、テレワークにかかる費用は会社が負担すべきとされています。

デスク購入費やWi-Fiプランのアップグレード費用などは経費として計上できる可能性がありますので、まずは一度勤務先に相談してみることをおすすめします。
 
 

ワークライフバランスの乱れ

仕事とプライベートの区別がつけづらいテレワーク環境下では、どうしてもワークライフバランスが乱れがち。

「いつでも仕事ができてしまう」環境が整ったことでつい時間外勤務に勤しんでしまったり、集中が続かないために就労時間が無駄に伸びてしまったり、就労中に家族から用事を言いつけられてしまったり……。

テレワークの効率を大きく悪化させかねないワークライフバランスの乱れには、「ルーティンの導入」が一番です。

テレワークの生産性を劇的に高めるルーティン作り!集中力を高める秘訣とは』では、テレワーク中のワークライフバランスの乱れに悩んでいた筆者が実際に取り入れ、その効果を実感している7つのルーティンをご紹介しています。

 

いずれも特別な準備不要ですぐに取り入れられるものばかりですので、ワークライフバランスの乱れによる効率悪化にお悩みの方は、ぜひ併せてご覧ください。
 
 

テレワークを快適に!おすすめの業務効率アップツール6選

最後に、テレワークの効率アップに繋がるおすすめツールをご紹介します。

ツールは以下の3カテゴリに分類してご紹介しますので、ぜひ、あなたのお悩みに適した段落をご覧ください。

コミュニケーション不足を解消する

書類やデータの共有を容易にする

ちょっとした情報を気軽に共有できる

 

コミュニケーション不足を解消する

まずご紹介するのは、テレワーク最大の敵ともいうべき「コミュニケーション不足」の解消に役立つツールです。

Zoom

今やビデオ会議ツールの代表格として広く知られるようになった「Zoom」。

Zoomを用いた「Zoom飲み」という言葉が一般化するなど、仕事以外でZoomを使用したことがある人も多いことでしょう。

Zoomを使えば、PCやスマホ、タブレットを用いて、いつでもビデオ会議に参加することができます。

画面共有機能や録画機能、コメント機能なども搭載されていますので、会議や商談、オンラインセミナーなど、さまざまな場面で活躍してくれるツールです。


ChatWork

ChatWork」は、ビジネスに特化したチャットツールです。

メールよりずっと気軽にやり取りができ、LINEよりはビジネス向け。個別チャットはもちろん、グループチャットにも対応していますので、チームでの情報共有などにも大変便利ですよ。

タスク管理機能もついていますので、チームメンバーのタスク管理・共有にも役立ちます


Slack

ChatWorkと同じく、ビジネス特化型のチャットツール「Slack」。

その高いカスタマイズ性がウケ、元々はIT業界やエンジニア界隈で人気を集めていたチャットツールですが、現在では幅広い業種で活用されています。

Slackの特徴のひとつは「スレッド機能」があること。

とりわけグループチャットではさまざまな会話が飛び交い、目的の会話が流れてしまうこともままありますが、Slackであれば会話に対してスレッド返信することができますので、タイムライン上で会話が入り乱れてしまうことがありません。
 
 

書類やデータの共有を容易にする

上司や同僚と直接顔を合わせる機会が少ないテレワーク勤務では、書類やデータの共有方法も変わってきます。

ただメールやチャットツールなどを用いて送付しあうだけでは、定期的に「あの資料はどこにいったっけ?」となってしまい、時間を浪費してしまう可能性も。そんなときにおすすめのツールをご紹介します。

Dropbox

個人でもビジネスでも使えるオンラインストレージの先駆け、それが「Dropbox」です。

さまざまな形式のファイルをオンライン上で管理することができ、ファイルごとに共有範囲を細かく設定することも可能。2GBまでは無料利用も可能ですので、お試しで利用しやすい点も嬉しいポイントです。

世界中で、さまざまな企業やチームから愛されているDropbox。

書類やデータ共有に便利な機能が搭載されていることはもちろん、高いセキュリティ機能で大事なデータを保護してくれますので、安心して利用することができます。


Google Workspace

GoogleドライブやGmail、Googleカレンダーなど、さまざまなアプリケーションを包括したグループウェア「Google Workspace」。

この中に含まれる「Googleドライブ」は、あらゆる種類のファイルを安全に保管してくれるオンラインストレージです。

Googleドライブでは、自身で公開範囲を設定できる「マイドライブ」に加え、組織全体などで使える「共有ドライブ」を作成することができます。

また、パソコン版Googleドライブを使えば、ファイルをPC上にダウンロードせず、PCのストレージ容量を確保したままファイルを編集することも可能です。

高度なセキュリティと高い稼働率、Google系アプリケーションとの連携が魅力のGoogle Workspace。すでにGoogle系アプリケーションを利用中の方に、特におすすめのツールです。
 
 

ちょっとした情報を気軽に共有できる

ファイルとして保存するほどではない。でも、チャットツールに投下して、会話の中に埋もれてしまっては困る。

最後にご紹介するのは、そんなちょっとした情報やナレッジを気軽に共有できるツールです。

Stock

ノート型の情報共有ツール「Stock」。

「チームの情報を最も簡単に残せるツール」を標榜しており、そのシンプルで分かりやすい機能とUIが魅力のツールです。

Stockに搭載されている機能は大きく3つ。

・チームの情報をノートにまとめて分かりやすく整理
・シンプルなUIでチームのタスクを管理
・メンバー間でのメッセージのやり取り

無料で試すこともできますので、情報共有ツールに興味のある方の最初の一歩としてもおすすめです。
 
 

まとめ

この記事では、テレワークによって効率が悪化してしまう原因とその対策、テレワークの効率改善が期待できるツールをご紹介しました。

あなたの悩みに合った対策・ツールは見つかりましたでしょうか?

この記事がテレワークの効率改善に役立ちましたら幸いです。
 

東堂
この記事を書いた人

東堂

読書好きが高じて小説家デビューを果たした物好き。クラシック音楽とお菓子作りを好みます。