テレワークの在宅勤務では安定の固定回線+Wi-Fi6ルーターを導入しよう

小山安博

小山安博

2021.06.10
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テレワークで大事なのが通信回線です。オンライン会議だけでなく、WordやPowerPointの大容量データを送受信することもあるでしょう。

そうした場合に、貧弱な通信回線だと映像が止まったりダウンロードに時間がかかったり、意外に仕事に集中できなくなるものです。

今まで自宅のインターネットにはあまり繋がず会社でネットワークを利用していたが、在宅勤務のテレワークに移行した人も多いでしょう。

自宅でテレワークをするならば、これまでは重視しなかった自宅のネットワークを見直すと仕事が快適になります。


▼ 目次
1. 手軽に始めるスマートフォンのテザリング
2. コンセントにつないですぐに使えるWi-Fiサービス
3. 上下ともに安定して高速な固定回線
4. 光回線ならWi-Fi 6を選ぼう
5. まとめ


 

手軽に始めるスマートフォンのテザリング

自宅内でネットワークを構築するには、インターネットに接続する回線とそれを自宅内で複数機器で利用できるようにするルーターの2種類が必要です。

インターネット回線には複数の選択肢があり、大きく分けてモバイル回線と固定回線の2種類があります。

自宅のネットワークで最も簡単なのはスマートフォンのテザリングを利用することです。今所有しているスマートフォンの料金プランを見直せば、大容量データのやり取りでも極端な高額にならず今までよりも安価な料金に収まるようになっています。

例えば、NTTドコモ、au、ソフトバンク、楽天モバイルの4キャリアであれば、3000円台から7000円台で大容量のデータが使えるようになります。特にドコモと楽天モバイルはデータ無制限なので、安心してPCを使って仕事のデータをやり取りできます。

モバイルWi-Fiサービスも同様に契約すればすぐ使えますが、2年契約などの複数年契約が多くテレワークが変更になった場合や速度が不満で解約する際は契約解除料が必要になります

キャリアは複数年契約がないため「そんなにデータ容量がいらない」という場合であれば、安価なプランやMVNOに変更するといったことも可能です。

 

 
 

画像引用:SoftBank

コンセントにつないですぐに使えるWi-Fiサービス

もう1つの手軽な選択肢が、インターネット回線にモバイルを使うWi-Fiルーターです。代表的な例が「SoftBank Air」です。

一般的なWi-Fiルーターのように固定して使うWi-Fiルーターで、自宅内の複数の端末をWi-Fiでインターネット接続できるほか、LANケーブルを使って有線でインターネットに接続することも可能です。

デスクトップPCなど、Wi-Fiのない端末や安定した通信が欲しい場合は有線の方が有利です。

同様にUQモバイルが提供する「UQ WiMAX」、auの「ホームルータープラン5G」、そしてドコモの「home 5G」もモバイル回線を使うサービスです。

固定回線向けのルーターのように宅内に設置するタイプの製品だけでなく、持ち運べるモバイルルーターを使って自宅内でインターネットに接続するタイプもあります。

いずれも、契約すると端末が送られてくるので、そのままコンセントにつないで起動すればすぐにインターネット接続できるのがメリットです。

基本的にはスマートフォンのテザリングと変わらないので、手軽なところがポイントです。

データ通信が無制限なところもメリットです。auやUQ WiMAXの場合は「直近3日間のデータ通信量が15GBを超えた場合に、翌日はおおむね1Mbpsに制限する」という制限があります。

1日5GBを超える日が3日間続くと制限に引っかかるため、自宅回線としてはやや厳しいかもしれません。

SoftBank Airにはそうした制限があるとは公表されていません。夜間などの混雑時や通信量が過度に多いエリアでは通信速度が制限されることがあるとはされていますが、使った容量での制限については明言されていません。

ドコモのhome 5Gは過剰な通信には制限を加えるとありますが、こちらも具体的な基準は公表されておらず、よほどのことがない限り制限はされなさそうです。

そのため、比較的大容量のデータ通信でもカバーできそうです。ただし、モバイル通信のため、自宅の場所によっては速度が出にくい場合もありますし、マンションの高層階でも速度が出にくくなります

モバイル回線を使う最大のデメリットは、下り速度に対して上り速度が遅いという点です。上り速度は、モバイル回線を使っている限りどうしても下りほど速度が出ません。5Gを使うhome 5Gでも、下りは最大で4.2Gbpsと超高速ですが、上りは最大で480Mbpsとなります。

上り速度が必要になるのは、アップロードや映像配信の場合です。

テレワークだと自分が作ったデータを同僚に転送する場合にも効いてきますし、最も威力を発揮するのはビデオ会議で自身の映像を配信する場合でしょう。

高画質である必要はないと思うかもしれませんが、低画質の映像は視聴側のストレスになります。特にプレゼン資料を一緒に表示する場合に、文字が見えないなどの弊害もあります。

上り速度を重視する環境であるなら、固定回線を検討するのが一番でしょう。
 
 

上下ともに安定して高速な固定回線

固定回線は一昔前は電話線を使ったアナログ回線でしたが、ISDN、ADSLと進化し、現在の主流は光回線(FTTH)です。光ファイバーを使った高速通信を実現しており、上下ともに最大10Gbpsまでのサービスが用意されています。

最も遅いサービスでは上下最大100Mbpsとなっていますが、無線を使うモバイル回線より固定回線の方が比較的速度が安定しているというメリットはあります。

デメリットは、光回線を宅内に引き込む工事が必要な点です。一般的には自宅そばの電柱から光ファイバーを自宅内に引き込み、さらに屋内まで配管などを用いて配線します。

一戸建ての場合はこれで済むのですが、集合住宅の場合は電柱から光ファイバーを建物内の共用スペースに引き込んで専用装置に接続。そこから集合住宅の各戸に配線する必要があります。

この時の配線方法で実際の通信速度は大きく影響を受けます。光配線、VDSL、LAN配線という3種類の方式があり、特にVDSL方式は共用部から宅内までアナログ回線を使って共用するため速度が大幅に低下します。ベストなのは光配線方式です。

モバイル回線の場合、下りが1Gbpsに達していても上りは100Mbps程度です。しかもこれは理論値で、実際の速度では下り300Mbps、上り45Mbps程度というのが平均値のようです。

これに対して光回線で1Gbpsのサービスを使えば、上下ともに数百Mbpsの速度は可能です。異常な使い方をしなければ容量制限も問題なく、大容量データでも気軽に送受信できます。

VDSL方式だと数十Mbps程度になってしまう点は注意が必要ですので、光配線方式で敷設できる場合は光回線を選択すべきでしょう。

最大の難点はコストです。月額利用料はおおむね月額5000~7000円程度が必要です。さらに、光回線を敷設するために2万円ほどの工事費も発生します。即時開通もできません。

特に賃貸物件で新たに光回線を引き込む場合、管理会社などへの問い合わせが必要になるので、ややハードルは高いでしょう。逆に、すでに光回線を(特に光配線方式で)敷設している物件に住んでいるなら、導入は容易です。

すでに固定回線導入済みであれば、通信速度がどのぐらいのサービスかどうかを調べましょう。

光回線でも100MbpsサービスだったりVDSL方式で速度が出なかったりする場合は、集合住宅なら管理会社に問い合わせたり、契約しているプロバイダーに問い合わせすると良いでしょう。

1Gbps以上の上位サービスへの切り替えやVDSL方式から光配線方式への変更ができない場合、固定回線を諦めてWi-Fiルーターサービスを導入した方が快適な環境になる可能性もあります。

そうした障害を乗り越えて高速な光回線が導入できれば「快適なテレワーク環境ができた」といいたいところですが、もう一手間を加えることでさらに快適な環境が構築できます。
 
 

画像引用:BUFFALO

光回線ならWi-Fi 6を選ぼう

光回線を使う場合、自宅内にONU(回線終端装置)と呼ばれる装置が設置されます。だいたいは事業者からのレンタルになりますが、最近はこのONUとルーターが一体化した機器が使われている例もあります。

ONU単独でレンタルされた場合は別途ルーターを用意する必要があります。このルーターは、自宅内で複数の機器をインターネットに接続するために必要となる機器です。

通常はWi-Fi機能を備えており、PCやスマートフォンをWi-Fiで接続すれば光回線の高速な通信を利用できます。

PCと有線で接続する場合、1Gbpsのサービスであればそれに対応したLANケーブルを用意する必要がありますが、あまり難しいことはありません。

スマートフォンでは高速なのに有線LANにつないだ機器だとネットの速度が遅いという場合、ケーブルが問題の場合もあります。その場合は、高速規格に対応したケーブルに買い換えれば改善する可能性があります。難しいのはWi-Fiです。

Wi-Fiには複数の規格があり、現在「Wi-Fi 6」と呼ばれる最新規格が登場しています。正式にはIEEE802.11axと呼ばれますが、一般的には「Wi-Fi 6」と呼ばれる規格。

規格上は9.6Gbpsと10Gbpsに迫る速度が実現可能ですが、現時点で製品化されているのは約5Gbps程度のようです。それでも、「Wi-Fi 6」は従来よりも高速な通信が可能です

光回線で10Gbpsサービスに加入した場合、Wi-Fi 6以外だとWi-Fi部分がボトルネックになって本来の性能が発揮できません。

1Gbps以下のサービスだとWi-Fi 6の速度は過剰と思われるかもしれませんが、その速度はムダではありません。PCからスマートフォン、スマートフォンからPC、スマートフォン同士でデータをやりとりする場合に、このWi-Fi 6であれば高速にデータの送受信ができるからです。

ルーター一体型のONUが提供されWi-Fi 6に対応していない場合でも、別途Wi-Fi 6に対応した最新ルーターを用意すればより快適な通信が可能になります。

ただし、快適な通信のためには接続する機器側もWi-Fi 6に対応している必要があります。スマートフォンやPCだと、ここ1年程度に発売された、しかもハイエンド機種でないとWi-Fi 6には対応していません。

ただ、スマートフォンよりも買い替えサイクルが長く、数年にわたって使うのがルーターです。Wi-Fi 6対応ルーターは最新機種であることが多いため、さまざまな技術向上で従来製品よりも性能が高くなっています。

Wi-Fi 6非対応のスマートフォンでも、最新ルーター導入で通信速度が高速化する可能性もあるのです。

もし、Wi-Fi 6対応スマートフォンなどを持っていてルーターが古い場合は買い替えることをおすすめします。

Wi-Fi 6対応製品がない場合もあらかじめWi-Fi 6ルーターを導入しておけば、将来的なスマートフォンなどの買い替えでWi-Fi 6の実力が発揮されて一気に高速化することがありえます。

Wi-Fi 6対応ルーターは各ルーターメーカーから発売されており、おおむね最新モデルの上位機種からの対応となっています。その分、各メーカーが力を入れて開発した機種になりますので、安心して購入できるでしょう。
 
 

まとめ

テレワーク環境が一時的もしくは変わる可能性があるならば、スマホプランを見直し、テザリングで自宅の通信環境を整えることが良いかもしれません。

長時間自宅でテレワークするなら、準備が必要でややハードルは高いのですが速度が安定していてストレスの少ない光回線がおすすめです。

また、固定回線を使っているのに「ネットが遅い」という状況なら、回線の配線方式を調べたり、LANケーブルを交換したり、ルーターを新規に導入すると、一気に速度が改善する可能性もあります。

テレワークの通信環境を見直して、作業効率の改善や快適なテレワークにしていきましょう。
 

小山安博
この記事を書いた人

小山安博

ネットニュース編集部で編集者兼記者、デスクを経て2005年6月から独立して現在に至る。専門はキャッシュレス決済、セキュリティ、デジカメ、携帯電話など。発表会取材、インタビュー取材、海外取材、製品レビューまで幅広く手がける。

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