テレワークのモチベーション低下を防ぐ3つの意識すべきポイント

春緒

春緒

2021.05.26
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職場に出勤せず、自宅で仕事ができるテレワーク。通勤時間もないし、自分のペースで仕事ができるので、働きやすくなった!という人も多いはず。一方で、モチベーションの低下を感じるという声も少なくありません。

テレワークだと、どうしてモチベーションが下がってしまうのでしょう? 実は、それには人間のやる気や欲求の構造が深くかかわっているのです。

この記事ではモチベーションが下がってしまう原因と、その解決方法についてまとめています。モチベーションの仕組みを知って、テレワークをうまく活用していきましょう!


▼ 目次
1. テレワークのモチベーションを下げる3つの「できない」
1-1. 「仕事の全体感の把握」ができない
1-2. 「仕事の重要性の実感」ができない
1-3. 「フィードバック」を受けることができない
2. モチベーションを保つには?意識したい3つの「する」
2-1. 時間を管理する
2-2. いつもと違う場所や、やり方に挑戦する
2-3. コミュニケーションを重視する
3. そもそもモチベーションってなに?
3-1. やる気に影響を及ぼす5つの仕事の要素
3-2. 内発的モチベーション
3-3. 外発的モチベーション
3-4. マズローの欲求5段階説
4. テレワーク中のモチベーション維持には意識的な行動が大事!


 

テレワークのモチベーションを下げる3つの「できない」

自由度の高い働き方が魅力のテレワークですが、出勤を伴わない勤務体制では「できない」こともあります。

モチベーションが下がったように感じているのは自分の問題かも…と思っていませんか。実は多くの人が、同じような悩みを抱えているかもしれません。

株式会社リクルートキャリアの調査から、テレワークの「できない」をみていきましょう!
 

「仕事の全体感の把握」ができない

上記のリクルートキャリアの調査では、テレワークのやりにくさや抵抗に関するコメントとして、「相手の仕事の進捗状況が分かりづらい」「仕事の全体像が分かりにくくなった」などが報告されています。

テレワークでそれぞれが違う場所で働いていると、ちょっとした雑談や情報交換の機会が失われがち。web会議での打ち合わせは必要事項のみで、このデータはなんに使うんだろう?なんて思いながら資料作成にあたることも。

仕事の完成形が見えないと、その意義も実感しづらいですよね。モチベーションを維持するのも難しくなります。

また、仕事の全体の進み具合が見えないことで、自分自身の仕事の調整もできないことがあります。相手の様子がわからないからこそ、ToDoリストやスケジュールを共有して仕事の「見える化」を意識する必要があります

例えば、Trelloを利用すれば「保留」「先方に確認中」など、タスクを状態毎に移動して管理できて便利です!チームで共有することもできますよ。
 

「仕事の重要性の実感」ができない

アンケートでは、テレワーク実施前と比べ、「仕事の重要性の実感(タスク重要性)」の項目が13.2pt下がった、という結果になりました。コメントでは、自分の仕事を「評価されていないと感じる。貢献できていないと感じる」と解答した人もいます。

仕事の全体像が把握しづらくなると、自分の仕事が全体のどの位置にあるのかもわかりません。そうなると、その重要性も実感しづらくなります。

自分のした仕事がどれだけ役に立ったのかがわからない…となれば、モチベーションも下がりますよね。それだけでなく、業務上の優先順位が把握できないと仕事の進め方が決められない、というデメリットも。

どんな仕事もきちんとこなすということは、その仕事の成果まで確認するということ。その反省を次の作業に活かすためにも、自分の手を離れた後のことまで知っておきたいですよね。

作業報告時には、お互いに「この間いただいたデータ、こんなふうに活用しています」「先日の資料、どうでした?」などと声かけして、いつもより積極的な情報交換を心がけましょう
 

「フィードバック」を受けることができない

仕事を進める上で、欠かせないのが上司や同僚からのフィードバック。ちょっとした雑談の中で「そういえば、こないだの資料でさ…」と同僚がこっそり教えてくれるコツや細かいポイントが、業務の丁寧さにつながりますよね。

しかし、テレワークではそうしたコミュニケーションも減ってしまいます。

調査では、「上司や同僚からのフィードバック(フィードバック)」が-15.6pt減少したという結果に。また、年代別では20代の回答は-19.6ptと、全体よりも低い数字になりました。

特に、若い世代はこれからが成長期。経験のない初めての業務もまだまだ多いはずです。伸び盛りのこの時期に十分なフィードバックが得られないと、将来的な成長にも大きく影響します。

また、50代の社員からも「テレワークだとわざわざチャットやメール等で聞くのも気が引けるので独断で進めることが多く不安になる」というコメントが。

もやもやしながら仕事を続けるのは、モチベーションの低下につながりますよね。頼りたいときにすぐに声をかけられる存在が身近にいないというのは、どの世代にとっても大きな問題になっています。

「この程度のことで…」と遠慮せず、気付いたことはどんどん伝えましょう
 
 

モチベーションを保つには?意識したい3つの「する」

業務上のことなら工夫の余地があっても、多様な働き方を許容するテレワーク「ならでは」のデメリットには改善が難しいものもありますよね。

そんなときは「これはしかたがない」と割り切って、別の方法でモチベーションを保つ工夫をしてみましょう。モチベーション維持のための3つの「する」をご紹介します!
 

時間を管理する

好きな時に好きなことをできるのがテレワークのいいところ。とはいえ、毎日バラバラの動きをしていると効率も悪く、逆に疲れてしまいます。ある程度のルーティンを決めておき、習慣にしてしまうといいですよ。

例えば、朝はメールチェック、昼休みは何時から…などの計画を立てておくことで1日の動きにメリハリがつきます。

わたしは昼食の時間を固定し、業務の最初に大きく午前と午後でタスク管理をするようにしています。朝一番に今日の仕事を整理することで一日の動きが見え、ランチを挟んだおおまかなリストにすることで時間の調整も簡単です。

出勤した時のように、きちんとしたタイムスケジュールを立てる必要はありません。休憩時間やコーヒータイムなどを上手に組み込んで、自分の働きやすいルーティンを組みましょう。

体が働き方を覚えてくれれば「好きなように働ける」というテレワークのメリットを、最大限に感受できるようになりますよ!
 

いつもと違う場所や、やり方に挑戦する

自宅でテレワークをしていると、ついつい気が緩みますよね。ソファで寝ころびながらのメール確認もたまにはいいですが、オンとオフの切り替えができないと、どうしてもモチベーションが下がります。

家では仕事をした気になれない…という人は、コワーキングスペースやカフェを利用しても!新しい環境に移動するだけでも、気分がシャキっとしますよ。

また、自宅での作業も好きな音楽を聴きながら、日当たりのいい場所に椅子を置いて…など、少しの変化でも気分が変わります。

長時間同じ作業が続くと、単純なミスが増えますし目も疲れます。

わたしは1日に1度は、カフェや公園などで作業する時間を作るようにしています。移動の前後で確認すると、最初は気がつかなかった誤字なども見つけることができましたよ。

普段は使わないツールを試してみるなど、新しい仕事のやり方を試してみてもいいですよね。働き方が自由になった分、自分自身の価値を高める時間と位置付けて、自分の働き方を見直しましょう。思わぬスキルアップにつながることも!

気分展開を取り入れた成果か、わたしはテレワークになって、むしろ作業の速度が上がりました。
 

コミュニケーションを重視する

テレワークの特徴的な問題は、人とのふれあいが少なくなること。コミュニケーションが減るのは、業務上も大きなデメリットに。

人とのふれあいの機会をつくることで、ちょっとした相談や意見交換もしやすくなります。この機会に、テレワークならではの新しいコミュニケーションの方法を試してみましょう

例えば、web通話をつなげたランチミーティングや休憩室などで、雑談の時間を増やすことができます。画面の向こうに相手の生活や趣味が見えて、意外な一面を知れるかも。仕事の話題以外にも会話に余裕を作ることで、心の距離も近づきます。

ちょっとした人とのつながりが、孤立しがちなテレワークの作業を支えてくれるはずです。
 
 

そもそもモチベーションってなに?

モチベーションとは「動機付け」や「目的意識」をあらわす単語です。意味はなんとなく知っているけれど、そもそもどんな原理で上がったり下がったりするのかよくわかりませんよね。

ここではやる気に大きく影響するモチベーションについて、簡単にご説明します!
 

やる気に影響を及ぼす5つの仕事の要素

株式会社リクルートキャリアの調査では、技能多様性・タスク完結性・タスク重要性・自律性・フィードバックからなる「やる気に影響を及ぼす5つの仕事の要素」を中心に「働くモチベーション」についての分析がされています。

これらの項目は、1980年のR.ハックマンとG.オルダムによる職務特性研究において「やる気に影響を及ぼす5つの仕事の要素」とされているそうです。

前章で挙げた3つの「できない」は、「タスク完結性」(仕事の全体感の把握)、「タスク重要性」(仕事の重要性の実感)、「フィードバック」(上司や同僚からのフィードバック)にあたります。

調査では「技能多様性」(求められるスキル)と「自律性」(仕事の進め方の裁量)に関して、テレワークにおいても低下が見られないことが示されました。

テレワークだからモチベーションが下がるのではなく、テレワークに伴うコミュニケーションや情報交換の不足がやる気の低下につながってしまうことがわかります。
 

内発的モチベーション

モチベーションには、内発的モチベーションと外発的モチベーションの2種類があるとされています。「他の人の力になりたい」「役に立ちたい」など、内的要因による動機づけが内発的モチベーションです。

これは「タスク重要性」や「フィードバック」にも繋がりますね。テレワークでは特に低下しやすいモチベーションと言えますが、コミュニケーションの機会を意識的に増やすなどの工夫で改善することが可能です。
 

外発的モチベーション

外発的モチベーションは、昇進したりボーナスを得たりすることに目標を置く、外的要因による動機づけです。

こちらはテレワークでも損失が少ないと考えられますが、仕事の重要度が見えないことで「正当な評価を受けていない」と感じやすくなる可能性も。

「タスク完結性」を高めることで客観的に自分の仕事を評価できれば、低下を防ぐことができます

また、「フィードバック」の機会には肯定的な評価はいつもより明確に言語化して伝えるといいですね!
 

マズローの欲求5段階説

マズローの欲求5段階説とは、アメリカの心理学者A.マズローが考案した欲求の段階です。

第1段階は食事などの生命維持に関する生理的欲求で、第2段階は身の安全を求める安全欲求、第3段階は集団に所属して居場所を得たいと望む社会的欲求。第4段階は自分の価値を認めさせたいという承認欲求、そして第5段階は自分にしかできないことを成し遂げたいと思う自己実現欲求です。

マズローは、人の欲求はこれらの段階を経て進んでいくと考えました。

これまで見てきたように、テレワークでは第3段階の社会的欲求や第4段階の承認欲求が満たされない、と感じる場面は多くあります。そうした場合、モチベーションが下がってフラストレーションを抱えることになるのです。

テレワークの問題は個人の努力だけでは解決できません。社会的情勢の変化からテレワークがさらに一般化すると考えられる昨今では、モチベーションの仕組みを理解し、組織全体で対策を考えることが必要となってきます。

 
 

テレワーク中のモチベーション維持には意識的な行動が大事!

出勤時には当たり前のように行っていた小さなコミュニケーションや細かな情報交換。それらは、わたしたちのモチベーションに大きくかかわっていました。

しかし、テレワークでは意識的に仕組みを整えなければ、これまでどおりのモチベーションを維持することができません。

一人一人が行える工夫とは別に、組織的な取り組みも必要になってきます。社会が変化し、働き方も多様になってきている今こそ、テレワーク時代に必要なモチベーション維持の環境をみんなで整えて、働く意義を実感しやすい職場を目指しましょう!
 

春緒
この記事を書いた人

春緒

フリーのWEBライター兼シナリオライター。好きなものは本と珈琲。年を取ったら、着物で生活する人になりたい
 
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