在宅勤務のメリットやデメリットを経験者目線で解説

きゃんた

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2021.09.14
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新型コロナウイルス感染予防対策のために在宅勤務が推奨される中、出社するか悩む方も多いです。

実際に総務省が行った「テレワークの最新動向と総務省の政策展開」の調査では、テレワークをはじめる人の半数が、会社にいる時と同じ成果を出せるか不安と回答しています。

そこで、この記事では在宅勤務経験者の体験を基に、在宅勤務のメリット・デメリット、デメリットを解消し効率的に仕事をすすめるコツを紹介します。


▼ 目次
1. 一般的な在宅勤務のメリットとデメリット
1-1. 在宅勤務のメリット
1-2. 在宅勤務のデメリット
2. 経験者が感じる在宅勤務の良い点
2-1. ワークライフバランスを取りやすい
2-2. ストレス減少で仕事の効率アップ
2-3. 育児や介護と両立しやすい
3. 経験者が感じる在宅勤務のやりにくい点とその解決策
3-1. コミュニケーションの困難や不足
3-2. 労働の負荷が増える
4. まとめ


 

一般的な在宅勤務のメリットとデメリット

在宅勤務のメリット

在宅勤務のメリットと言われるものには、「生産効率のアップ」「離職率の低下」「リスク分散」などがあります。

生産効率アップ

在宅勤務では、通勤ストレスがなくなることや好ましい環境で業務を行えることから集中力が向上し、生産性がアップすると言われています。

実際に2020年に行った総務省の調査では、テレワークを採用した企業の6割以上で労働時間が減少し、労働生産性の伸び率は13~18%向上しています

 

離職率の低下

在宅勤務ができると、育児・介護と仕事の両立がしやすくなるケースが多いため、本来であれば出勤が難しくなった経験豊かな人も、自宅などで働き続けることが可能です。結果的に経験豊富な人材の離職を防ぐ要因の1つになります。

 

リスク分散

地震や台風などの災害が発生してオフィスへ出勤できない場合でも、在宅勤務をすることで業務を続けることができます。
 
 

在宅勤務のデメリット

一方、在宅勤務の一般的なデメリットは、「勤怠管理や進捗管理の難しさ」「情報漏洩のおそれ」「IT機器支給・通信環境整備・セキュリティ対策でのランニングコストのアップ」などがあります。

勤怠管理や進捗管理の難しさ

オフィスに出勤しないと、仕事の終了時刻が従業員に依存するため、勤怠管理が難しいです。また、コミュニケーションも不足する傾向にあるため、進捗管理も難しくなります。

実際、日本労働組合総連合会(JTUC)の調査によると、テレワークを継続する上での主な課題の1つとして、全体の24.2%の人が「適切な労働時間管理」を課題に感じています。

参照:日本労働組合総連合会(JTUC)「テレワークに関する調査

 

情報漏洩のおそれ

IT機器をなくしたり、セキュリティのしっかりとしていない通信環境を利用したりすることで情報漏洩のおそれがあります。

 

ランニングコストのアップ

IT機器支給・通信環境整備・情報へのセキュリティ対策でランニングコストが増える可能性があります。

参照:知的資産創造 2017年7月号「テレワークによる働き方改革の課題と処方箋

 
 

経験者が感じる在宅勤務の良い点

実際にテレワークを経験した人が感じる在宅勤務のメリットは、「自由時間が増えてワークライフバランスを取りやすくなる」「仕事の効率がアップする」「育児や介護と両立しやすい」の3つです。

ワークライフバランスを取りやすい

在宅勤務だとオフィスへの通勤がなくなり、その分自由に使える時間が増えてワークライフバランスを取りやすくなります。

空いた時間を趣味や家族との時間、休息などに活用できます。私自身も空いた時間を読書や資格の勉強、ランニングなどに活用しました。

内閣府の調査によると、テレワークを実施した人の37.4%が、以前よりも仕事以外の生活時間を重視するようになったと回答しています。これはテレワークを実施していない人が回答した25.5%よりも多く、より仕事以外で時間を有効に使える機会が増えています。

参照:内閣府「第3回 新型コロナウイルス感染症の影響下における 生活意識・行動の変化に関する調査」

 

ストレス減少で仕事の効率アップ

在宅勤務では、通勤や電話対応、人間関係など、オフィスで発生する様々なストレスから解放されて集中しやすくなることから、仕事効率がアップします。

コミュニケーションが不透明になる分、チャットや電話の頻度が上がるのではないかという懸念もあります。

しかし、私は気軽に連絡がとれるチャットツール導入のおかげで無駄な電話が減り、チャットは各自のタイミングで返信が可能なため、作業を途中で中断され集中力が切れることはほぼありませんでした。

会議もウェブ上だからか無駄な雑談がなくなり、効率的な討論ができるようになりました。

また、人間関係の良くない同僚同士が在宅勤務を活用することで適度な距離感を維持できて人間関係のストレスが減り、各々が仕事に集中できるようになったということもあり、私自身の仕事の効率は上がりました。

 

育児や介護と両立しやすい

在宅勤務だと育児や介護の必要性が発生しても、オフィス勤務に比べるとそれらと仕事を両立しやすいです。

仕事をする意欲や必要性が高くても保育園や学童保育所の不足から子供を預けられない状況、介護人材の不足から家族の介護を外注したくでもできない状況が起こります。

例えば、親の介護を家でしなくてはいけなくなった著者の友人は、在宅勤務をしていたので仕事ボリュームは落としたものの仕事を続けることができました。

友人は、在宅勤務で仕事を続けられて経済的にもキャリア形成にも助かったし、介護だけに向き合うと行き詰まりがちだったから、社会とのつながりがあって精神的にも助かったと言っていました。

将来自分が育児や介護をする可能性もふまえて、在宅勤務の選択肢を考えておくことは賢明なのかもしれません。
 
 

経験者が感じる在宅勤務のやりにくい点とその解決策

実際に在宅勤務を経験した人が感じる在宅勤務の大きなデメリットは「コミュニケーションの不足や困難」「労働負荷の増大」の2つです。

実際、内閣府の調査では、社内での気軽なコミュニケーションや取引先とのやり取りが困難、プライベートと仕事の区別があいまいで働きすぎることなどがデメリットとして挙げられています。

参照:内閣府「第3回 新型コロナウイルス感染症の影響下における 生活意識・行動の変化に関する調査」

 

在宅勤務のデメリットはその問題に対して自ら方法を考えて自ら改善を行う必要がありますが、それさえできれば上述したような在宅勤務のメリットが更に活きて、在宅勤務や生活がとても快適になります。

 

コミュニケーションの困難や不足

在宅勤務ではオフィスワークのように直接顔を合わせることがないため、コミュニケーションが取りにくい、またはコミュニケーションが足りないと感じる場合があります。

また、オンラインでのコミュニケーションは、画質や音質が悪いことで、やりづらさを感じる場合もあります。

社内メンバーに気軽な相談や報告ができないというのは、社内での関係が出来上がっていない入社歴の浅い人が特に感じやすいようです。在宅勤務中に誰に質問したらいいのかわからないとストレスを感じてしまうのです。

コミュニケーション困難や不足に対する解決策

コミュニケーションが取りづらい、または足りないと感じた場合は、Slack や Chatwork、 Microsoft Teams、 Zoomなどの、チャットツールや会議ツールを積極的に活用し、上司や同僚と連携を取りましょう。

チャットツールは相手の都合がよい時に確認してもらえるので気軽に相談をしやすくなります。また、会議ツールは相手にできるだけ上半身の広い範囲を写してもらえるようにすれば相手の顔の表情に加えて手の動きなども見ながら話すことができるので、相手の感情を読み取りやすくなってオンライン上でのコミュニケーション不足の感覚を抑えやすくなります。

会議アプリでの1 on 1ミーティングや、チャットツールでの雑談チャットグループをつくるとコミュニケーションを取りやすくなります。

画質に関してはブロードバンドへの切り替えを試すという手があります。費用はそれぞれの企業で負担が異なると思いますが、必要経費でおとせたり補助があったりするなら申請し、ないなら補助金制度設立を提案するのも一案かもしれません。

自宅の電波状況がよくない友人はオンラインミーティングをカフェの無料Wi-Fiを使って行っていますが、セキュリティ面での不安があると言っていました。

職種などによっては自宅でのブロードバンド使用も必要経費との判断をしてくれる企業もあるかもしれないので、担当者に相談するのも良いでしょう。

 

労働の負荷が増える

在宅勤務だと仕事とプライベートのオンとオフの切り替えが難しいことから、長時間労働になって労働の負荷がかかりやすくなるときがあります。

JUTCの調査では、テレワークで経験したこととして、半数以上の人が「出勤しての勤務よりも長時間労働になること」を挙げています。

オンとオフの切り替えが難しくなる理由は、仕事中でも家族が話しかけてきたり、趣味のものもあるプライベート空間で仕事に集中するのは難しかったりということがあります。

また、職場以外での作業だと、仕事とプライベートの時間の区別がつきづらいため、終業時間を超えて作業を続けてしまうことが考えられます。

テレワークを実施した人の約7割が、仕事とプライベートの時間の区別がつかなくなると調査で回答していることから、切り替えの難しさが労働負荷の原因の1つになっています。

参照:日本労働組合総連合会(JTUC)「テレワークに関する調査

 

労働の負荷が増えることを回避するための対策

オンとオフ切り替えが難しい理由が同居家族への配慮なのであれば、同居家族全員で仕事中のルールを作るのが良いでしょう。

子どもが小さい場合は、祖父母に保育をお願いできないか相談したり、保育施設などに預ける方法や補助がないかの相談をお住まいの市区町村や勤め先の担当者にしたりすることで、解決できる場合があります。

オンとオフの切り替えが難しい理由がプライベート環境なのであれば、小さくてもワーキングスペースを区切って仕事のものしか置かない・仕事のときしか使わない空間を作ると切り替えがしやすいです。

物理的にスペースを区切るのが難しいワンルームの場合は、仕事する席を決めてそこから見える趣味のものは全部片付けて、かつ、仕事開始時と終了時に少し散歩に行くことなどで気分を変えるということを試してみてください。

長時間労働の回避は、私の場合、休憩や終了の時間にアラームをかけること、ToDoリストの作成や進捗目標の作成による時間管理が役立っています。
 
 

まとめ

在宅勤務には自由で柔軟な働き方を実現する要素がたくさんあるため、もし在宅勤務を選択する場合は、在宅勤務のメリットを存分に享受できるように、デメリットに関してはひとつずつ対策を講じて、軽減や解決をしてみるのが良いでしょう。

 

きゃんた
この記事を書いた人

きゃんた

企画から取材、執筆までこなすWEBライター。食に関する関心が強く、おすすめのグルメ情報をブログにて発信中。
 

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