北海道の超自然的、女性フリーランサー。好きなことで稼ぐリアルな本音。

自由の歩き方 編集部

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2020.07.21
北海道の超自然的、女性フリーランサー。好きなことで稼ぐリアルな本音。 イメージ

夏はシーカヤックのツアーガイド、冬はスキーのインストラクター、それらの合間にゴルフのキャディと、北海道を活動拠点に仕事で好きなことを楽しんでいる超自然的フリーランサーの高垣さん。実は、学生時代バスケットボールやスキーは全国大会などに出場するほどの元アスリート。

好きなことを仕事にするハードルはとても高いと言われ、「稼げない」、「リスクがある」、「安定した生活ができない」という理由で躊躇している方は多いはず。

20年以上、好きなことを仕事にしている高垣さんに「好きなことで稼ぐリアルな本音」を聞いてみました。

北海道の超自然的フリーランサー
高垣 美穂(タカガキ ミホ)
1975年 / 出身地:北海道
 
夏は北海道積丹町でのシーカヤックツアーガイド、冬はニセコやルスツなどのスノーリゾートでシンガポールや香港からのお客様を相手にスキーのインストラクターを行う。そのほか、外国人向けのゴルフのキャディやグルメのエスコートなども行う。持ち前のキャラクターを活かし、リピーターも多い。父親の経営する測量業を手伝ったり、遺跡掘り、飲食業など様々な職種の経験豊富な複業系フリーランサー。
 
facebook(https://www.facebook.com/miho.takagaki.9
 
 
現在の事業について(シーカヤック / スキー / キャディ)
 
シーカヤックツアーのATKAYAKS(エーティーカヤックス https://www.atkayaks.com/)は、北海道積丹町でツアーガイドを6月~9月くらいまで開催している。完全予約制のツアーで、ホームページよりご予約可能。
 
スキーのインストラクター業はニセコやルスツが活動拠点であり、12月~3月くらいまで、事前予約の上、丸一日のレッスンを行っている。東京からや海外からの顧客が多い。教える人数や年齢にも柔軟に対応するレッスンは、スキーシーズンが始まる前にリピーターで予約が埋まってしまうほどの人気ぶり。
 
ゴルフのキャディ業は複数のゴルフ場から依頼を受けたり、スキーレッスンの顧客が夏に北海道に来られた際にゴルフ場の予約などアテンドしながらキャディをしたりしている。
 
現在(2020年7月時点)はコロナウイルス感染症の影響によりインバウンドも激減してしまったため、急遽、マスクを自前で作って販売するなどの臨機応変な仕事ぶりも見せている。

「素養+今自分ができること」で見つけた自分に合った仕事

今回は北海道を拠点にシーカヤックガイドやスキーのインストラクター、キャディとしてフリーランスで活動されている高垣さんに好きなことを仕事にする実情や本音をお伺いしたいと思います。よろしくお願いします。
 

まず、色々なお仕事をされている高垣さんですが、フリーランスになられた時から現在の複業スタイルだったのでしょうか?

最初から現在の複業スタイルだったわけではなく、スキーのインストラクターが初めにスタートした事業になりますね。その後、シーカヤックのツアーガイド、キャディと仕事の幅が増えていきました。
 

幼少期からスポーツが大好きで高校生まではバスケットボールに没頭して、北海道代表のチームメンバーとして国体まで出場しました。しかし、膝のケガによりバスケットボールの道は泣く泣く断念したんです。
 

その後スキーに転向して、短大卒業後はスキーで国体全日本技術選手権に出場したいと、オーストラリアへ長期修行に3年間ほど毎年行っていました。
 

実は、この時すでに帰国後の仕事としてインストラクターを考えていて、オーストラリアへ行く前にスキーインストラクターのライセンス(SAJ公認スキー指導員 C級検定員)を取得しました。
 

そして帰国後は、計画通りにスキーインストラクター業をスタートさせたんです。

さすが元アスリートですね。
 
インストラクター以外にもスキーに関わる他の職業はあると思いますが、どうしてインストラクター業を選ばれたのでしょうか?

元々、「人」が好きで「教える」ことが好きという素養があったと思います。
 
子供にスキーを教えて毎年成長していく姿を見るのも好きだし、お客さんが上達して喜んでもらい、仲良くなるのも好きだし、仕事で出会った人を通じて新しい世界を知ったりすることも大好きです。
 
今でも毎日、お会いするお客さんにどうしたら喜んでもらえるのかなあと考えています。
 
それらの素養にスキーのスキルがあったので、「自分が今仕事としてできること」としてスキーのインストラクターを選んだって感じですね。

それでは、シーカヤックのツアーガイドはいつスタートされたのですか?

シーカヤックツアーのガイドとして開業したのは、2009年ですね。
 
シーカヤックを始めたきっかけは、2000年にカヤックで北海道一周をしていた友人からカヤックに誘われたことなのですが、それからカヤックにとてもハマりました。
 
正直、それまで私はアウトドアが大嫌いでした。虫とかも好きではありません(笑)。
 
でも、このカヤックとの出会いが私の人生を変えてくれたと思っています。普段の都会生活は便利で物が身の回りにあふれていて、それが当たり前になってしまっている。でもカヤックの旅はできるだけ、持ち物はシンプルかつミニマルで原始的な生活をしながら、人力のみで前に進んでいくという都会の生活とは真逆のスタイルです。そんなカヤックのスタイルに惹かれました。

 

仕事に人にこき使われるのが嫌で選んだフリーランスの道

スキーのインストラクターやシーカヤックのガイドで、会社に属さずに、フリーランスとしてご自身で活動をはじめた理由は何だったのでしょうか?

普通のOLにならなかった理由は3つほどあります。1つ目はまず、人にこき使われるのが嫌だったのでしょう(笑)。

なるほど。笑

2つ目はそもそも「安定なんて今も昔も存在しない」と思っています。

世間的には「会社員=安定」と思っている人が多いようですが、高垣さんの意見は違うということですね。

最近、特に強く思うのが、どこに勤めていようと安定した人生なんて無いということ。勤めている会社からクビにされてしまったら、それで終わりじゃないですか?

確かにそうですね。2019年の全国企業の倒産件数は11年ぶりに前年を上回ったというニュースも聞きますし、クビにされない保障はないと私たちも思います。
(参考:2019年(令和1年)の全国企業倒産8,383件
 
会社員を選ばなかった3つ目の理由は何でしょうか?

3つ目はいつでも自由に休みたいということです。私は今でも毎年1ヶ月以上は長期で旅に出たり、休んだりしています。しっかり休まないと集中して働く気持ちにもなりませんよね!

 

フリーランスとして好きなことを仕事にする実情と本音

一般的にフリーランスの1~2年目は収入面や顧客の獲得に苦しむ方々が多いようですが、高垣さんの場合はどうだったのでしょうか?
 
最初から生活に困らないくらいの収入を得ることができたのでしょうか?

そうですね。私の場合は、社会人としての最初の仕事でスキーのインストラクター業を選んだことが、生活に困らない基盤になったと思います。
 
スキーのインストラクター業は毎年の需要が安定的で北海道では意外と稼げる仕事のひとつです。インストラクター業としてのスタートは、札幌市手稲区にあるスキー場に自分もスキーを習いに行きつつ、初心者の方を教えることから始めました。
 
突然、外国人向けにスキーのインストラクター業ができたわけではなく、最初はできる部分からコツコツとやってきただけです。

フリーランスが直面する課題として、顧客の確保で悩んでいる方々はとても多いようです。
(参考:フリーランスの実態_フリーランスになる際に直面した課題
 
高垣さんのスキーレッスンやシーカヤックツアーは、どう集客しているのでしょうか?

スキーのインストラクター業はウェブページからの集客はなく、過去のリピーターのお客様が中心です。お付き合いの長いお客様だと、幼稚園児の頃から大学生まで毎年レッスンを受けに来られる方もいらっしゃいます。
 
シーカヤックのツアーは、ここ5年ほどはホームページからの集客が中心です。ツアーは完全予約制でして、ウェブ上で検索して私のツアーを見つけたお客様は、基本的にホームページからツアーの申し込みをしていただいています。

10年以上お付き合いのあるお客様がいるのには驚きました。コツコツと続けていった成果が、多くのリピーターのお客様をかかえる形になったのですね。
 
高垣さんにとって、好きなことを仕事にする良さを教えていただけますか?

元々、仕事をすることが大好きです。現在は、たまたま夏は海、冬は雪山という仕事のベースができましたけど、仕事の職種自体にこだわりはないんです。
 
こだわり過ぎないことが私の一つの強みかもしれません。
なので、その時々にやれる仕事をやればいいと思っていて、結果的に好きなこと(仕事)ができている状況です。
 
好きなことをしたほうが仕事を長く続けられる、ということが良さなのかなと思います。

逆に、好きなことを仕事にする辛さはありますか?

実際に仕事をしていて辛さは特にないのですが… 強いて言うなら、(コロナウイルス感染症の影響により)以前のように働きたくても働けないという状況が一番辛いし、苦しいです。
 
私にとって辛いのは、お金の問題ではなく、暇な時間が多くできてしまうということで、もったいない気がしまいます。

では、フリーランスとしての働き方に不安は感じますか?

北海道は雪が多く降るため、夏と冬に違う仕事をする季節労働者が多くいらっしゃいます。そのため、いまのような複業の仕事スタイルにするのにもそんなに違和感は感じませんでした。よく「そのような仕事スタイルは不安じゃないの?」と聞かれるのですが、不安はないです。
 
必ず、どんな季節にも仕事はあるし、最低限の生活スタイルでいいや!と思っておけば、その程度の生活をすることはできるから。不安になる人は欲をかき過ぎるから不安になると思うのです。
 
「こんな仕事はやりたくない。」とか仕事をより好みしたり、「たくさんの収入が必要」とか欲張るから、自分の仕事の幅を狭くして、不安にさせてしまっていると思うんです。

なるほど。
それでもフリーランスになると、収入面が不安という話はよく聞く気がします。

将来の最低限の貯蓄はないことは人を不安にさせるのかもしれませんね。
 
私自身もかなりどんぶり勘定ですが、自分は何歳まで生きて、そして、老人になったときに最低生活費にいくらかかるのか?ということは考えて、老後貯金などはなるべくするようにしています。
 
ただし、2020年の現在のように、突然、働くことが難しい場合なども出てくるので、そのときはそのときでしょうがないなあと考えるようにしています。

 

自由な生き方に性別は関係ない。世間に言いたいことは、「女だからじゃねえよ!」

現在のワークスタイルを築くために、苦労されたことはありますか?

私は短大を卒業してから自由な働き方をずっと選んできました。20代のころなどはよく周囲の男性から、「そんな自由な生き方は女だからできるんだ!」という心無い言葉を何度も受けました。

そうなのですね。

彼らの考え方としては、女性はいずれ結婚し、嫁に行けば、男性の収入を頼った安定した生活ができると思っているのでしょう。そういうことを言われると、都度、私は「女だからじゃねえよ!」と怒りを覚えて反撃していました(笑)。
 
自由な生き方をすることに性別は全く関係ないですよね。自分自身がそのような生き方をしたい気持ちがあり、それに向けて行動するかどうかですよね。

私たちもそう思っています。
 
では、これから自由な働き方を目指してフリーランスになりたい方にとって、覚悟をすべき点、我慢が必要な点などあると思いますか?

好きなことをしていれば、覚悟とか我慢も気にならず続けられると思います。嫌なことをしていると我慢とかが苦しいものになってしまいますよね。
 
また、自分が苦手なことは、無理せず周囲のできる人に協力してもらうことも大切だと思います。頼れる知人に苦手な仕事をお願いして、私は自分でできることを精一杯取り組んでいます。
 
頼れる周囲の方々との関係はすぐに作れるものではありませんので、人との出会いは大事にしていますし、実際に私は長年の人とのお付き合いが仕事でも基盤になっています。

高垣さんの苦手なものは何でしょうか?

「超自然的フリーランサー」と付けられているので予想がつくと思いますが、私はパソコンやホームページ関連の作業は苦手です(笑)。
 
語学も堪能ではなかったのですが、私は教える立場なので、これは人に頼らず必死に単語を覚えて勉強しました。最近は英語が通じない中華系のお客様もいらっしゃるので、中国語の単語を覚えています。

すべて自分でやりがちですけど、自分の得意・不得意を自覚して、できる仕事に集中することは大切だと感じました。
 
では、そちらを踏まえて、好きなもので稼ぐにはどうしたらいいのでしょうか?

まずは根本的に考え方を変えたほうがいいと、私は思っています。
 
「安定は人に頼るものではなく、自分で作る」ということ。何かに頼っている状況で「安定」というのは、今も昔も未来も無いと思います。

なるほど、とても共感します。
 
仕事のストレスや疲れが溜まった時はどうリフレッシュしていますか?

疲れたときは1日20時間以上寝たりすることがあります(笑)。最近は太陽が登ると起き、太陽が沈むと寝ることで規則的な生活を心がけ、ストレスを減らすようにしています。
 
また、長時間のスマホやパソコンは体に良くないと思いますので、なるべく控えるようにしています。

休みの日はどう過ごしているのでしょうか?

毎年1ヶ月以上は長期の旅に出かけます。タイにゴルフ合宿に行ったり、南米までマチュピチュ遺跡を見に行くなど、そのとき気が向いたタイミングでいろんなところに旅行します。休みたいと思ったときに休めることが、自由な働き方の醍醐味です。

 

最後に

最後に高垣さんがされているシーカヤックツアー、スキーレッスンの見所を教えていただけますか?

北海道積丹町の指定場所に午前9時頃に現地集合して、15時頃に現地解散するデイツアー(1日ツアー)が人気です。最大8名様まで同時参加可能なツアーで、女性だけのお客様も多くいらっしゃいます。
 
カヤックで広々とした海を横断し、無人島に上陸して非日常的に楽しむランチは格別ですよ!

想像するだけでも最高に楽しそうですね。
 
高垣さんのフリーランスとしての働き方は枝葉末節のスキルやテクニックではなく、根本的に人間らしく生きること、古くから人間が大切にしてきたことを改めて学ばせてくれます。
 
人との付き合い、お金との付き合い、自然との付き合い、シンプルに生きることなど都会での生活では忘れがちなことを思い出させてくれ、また「今、自分ができること」に集中する大切さも教えてくれました。

 

高垣さん、貴重なお話をありがとうございました!

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